低地に隔離分布する高山植物個体群の維持機構および進化学的重要性の評価
Project/Area Number |
18J20218
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
和久井 彬実 北海道大学, 大学院環境科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高山植物 / 倍数性 / 風穴地 / refugia / 交配システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度までに北海道内18個体群のコケモモ(Vaccinium vitis-idaea)を対象として調査した結果、高山帯の個体群が全て2倍体であったことに対して、低地個体群のコケモモは多くが4倍体であることが明らかになった。また、低地個体群は高山個体群と比較して自殖能力が高く、形態が大型であることも示され、低地に分布するコケモモは高山帯のコケモモと全く異なる生態型である可能性が示唆された。2019年度は、コケモモと同所的に分布するツツジ科高山植物エゾイソツツジ(Rhododendron diversipilosum)も対象に加え、また調査範囲を北海道外にも広げることで、低地に分布する高山植物の生態の一般性を確かめることを目的として調査・解析を行った。コケモモを新たに12個体群、エゾイソツツジを18個体群解析対象とし、各種20~30個体から葉を採取した。フローサイトメトリーを用いた倍数性解析と、マイクロサテライトマーカー8種類を用いた遺伝解析を行った。結果、コケモモに関しては本州においても高山個体群が2倍体、低地個体群が4倍体である傾向がみられた。更に、ロシア東部の個体群が4倍体、ノルウェー北部の個体群が2倍体であることも明らかになった。2倍体と4倍体は遺伝的にも大きく分化していた。一方で、エゾイソツツジに関しては、標高に関わらず全ての個体群が4倍体であり、個体群間の遺伝的な分化もあまり見られなかった。コケモモに関しては、倍数性の異なる2系統が異なる経路または時期に北海道に侵入したと考えられる。エゾイソツツジに関しては一系統の4倍体が幅広い環境に適応し広がったものと考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)