一次求心性神経由来因子によるかゆみの慢性化メカニズムの解明
Project/Area Number |
18J20837
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
兼久 賢章 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 慢性掻痒 / NPTX2 / 一次求心性神経 / GRPR陽性 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性掻痒は,アトピー性皮膚炎に代表される多くの皮膚疾患において共通してみとめられる症状の一つである。こうした痒みが持続的に引き起こされると,皮膚炎の悪化を招き,患者のQOLを著しく低下させる。本研究では、慢性掻痒の原因メカニズム解明にむけて一次求心性神経由来因子に着目して研究に取り組んできた。 一次求心性神経は機能タンパクを産生し、それらを軸索輸送により神経終末へ運び各組織の恒常性維持に関わることが徐々に明らかにされている。これまで慢性掻痒モデルマウスにおいて,同神経でペントラキシンファミリーに属するNeuronal pentraxin 2(NPTX2)が発現上昇していることを見出してきた。前年度は、一次求心性神経でのNPTX2機能抑制により慢性掻痒時の引っ掻き行動が減弱したことから,同因子の慢性掻痒への寄与について明らかとなった。 本年度は、慢性掻痒においてNPTX2がどのように機能し,引っ掻き行動の増悪をもたらしたのかについて検討を行った。NPTX2は興奮性シナプス入力の増強に関与している報告から,一次求心性神経終末から放出された同因子が脊髄後角への興奮性シナプス伝達を増強することで痒み感覚伝達を高めていると推測した。慢性掻痒モデルマウスの脊髄スライス標本から、痒みの責任神経における興奮性シナプス伝達を記録すると興奮性シナプス伝達が増大していることが明らかとなった。さらにNPTX2欠損マウスにおいてこれらのシナプス伝達増強は抑制された。 以上のことから,慢性掻痒時に一次求心性神経で発現上昇したNPTX2は脊髄後角シナプス伝達を増強させることで,慢性掻痒の増悪に寄与していることが明らかとなった。慢性掻痒に関与する因子の一つとしてNPTX2を同定した点で,本研究は意義深いものと考えられる。本研究成果は現在,論文投稿し査読中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)