Looking for index theorems in scattering theory
Project/Area Number |
18J21491
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 秀樹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 散乱理論 / 離散シュレーディンガー作用素 / 波動作用素 / 複素ポテンシャル / Levinsonの定理 / 指数定理 / 表現論 / シュレーディンガー作用素 / 散乱作用素 / 束縛状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
スペクトル散乱理論において、散乱量子系の束縛状態の個数と散乱の情報を結びつける関係式はLevinsonの定理と呼ばれ、現在に至るまで様々な設定で研究されてきた。本研究の最大の目的は、Levinsonの定理に対する非可換幾何学を用いた枠組みを一般化し、散乱理論を通じて様々な量子系に対してLevinson型の指数定理を定式化(証明)することである。 本年度は、4月にペンシルベニア州立大学のNigel Higson氏の下へ2週間滞在し、散乱理論の表現論に対する応用について議論した。Levinson型の指数定理を半単純リー群上のカシミール作用素に対して用いることで、群の離散系列表現と主系列表現を結びつける関係式が得られると考えている。また、この滞在中にセミナー発表を行い、その後セントルイス・ワシントン大学で行われた国際研究集会に参加して研究発表を行った。 離散半直線上のシュレーディンガー作用素に対するLevinsonの定理に関して名古屋大学の津々直大氏と共同研究を行い、共著論文一編を公表した。さらに、ランク1の摂動に関しては、結合定数が複素数である場合でも波動作用素の明示的な公式が得られ、実係数の場合と同様の結果が得られることがわかった。 また、ロレーヌ大学のJeremy Faupin氏とワルシャワ大学のJan Derezinski氏と複素クーロンポテンシャルの摂動について共同研究を開始した。 以上に加えて、2つの国内研究集会と、オーフス大学で行われた国際研究集会「QMath14」に参加しポスター発表を行った。また、単著論文1編の学術誌への掲載が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、国内外の研究者との共同研究を通じて研究の方向性を大きく広げることができた。特に、Nigel Higson氏との議論によって、Levinson型の指数定理のリー群の表現論に対する応用という、従来のLevinsonの定理の研究とは全く異なる研究の方向性を見出すことができた。既に具体的なモデル(2次実特殊線型群)に対して超幾何関数を用いた波動作用素の表示が得られており、この表示から擬微分作用素を用いた表現を導出することでLevinson型指数定理が得られるという段階まで既に到達している。
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Strategy for Future Research Activity |
リー群上の散乱問題に関して具体的なモデルに対する解析をさらに推し進め、この設定におけるLevinson型指数定理を定式化する。この指数定理は群の異なる既約表現の間の対応を与えると期待できる。 また、昨年度の研究において複素ポテンシャルに関して、spectral singularityと呼ばれる連続スペクトル内の特異点が存在する場合、Levinson型の指数定理が成立しないことを確認した。同様な現象はランク1の複素ポテンシャルを持つ離散シュレーディンガー作用素に対しても確認している。そこで今後は、一般の有限ランクの複素ポテンシャルに対してspectral singularityとLevinson型指数定理の関係を考察する。 また、複素クーロンポテンシャルの摂動に関する共同研究を推し進め、年度内にこのモデルのスペクトル理論を完成させることを目指す。そして次のステップとして(修正)波動作用素とspectral singularityの関係を考察する。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)