上皮細胞の協調した三次元形態形成における細胞間接着装置の役割
Project/Area Number |
18J22029
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Research Fellow |
西村 亮祐 徳島大学, 大学院医科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 上皮形態形成 / 細胞間接着 / メカノトランスダクション / メカノバイオロジー / 微細加工技術 / 三次元培養 / ライブイメージング / 画像解析 / 上皮細胞 / 細胞骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞間接着装置の張力感受性が上皮組織の形態形成にもたらす意義を明らかにすることである。より具体的には、アドヘレンスジャンクション(AJ)の構成分子であるαカテニンに着目し、αカテニンの張力に応答したビンキュリン結合制御機構がいかに上皮細胞集団の「形作り」に寄与しているかを知ることを目的とした。 本研究では当初、独自に設計・作製した培養基材を用いたin vitro 三次元形態形成モデル系を構築して利用していた。しかし前年度までに行った検討から、この系で起こる形態形成は必ずしも強い張力を必要としないことが明らかとなっていた。そこで、低接着性の丸底ウェルプレートを用いて、細胞塊に対する外力の影響とそれに対するαカテニンの張力感受性による応答の違いを検討した。外力としては細胞塊に対して自然にはたらく重力を利用した。1ウェルあたりに播種する細胞数を増減させることで細胞塊全体として受ける重力を調節できると考えた。パイロット実験の結果、細胞数の増加に伴って細胞塊の形態がほぼ完全な球から扁平な形状となる変化が野生型αカテニンの発現細胞でもみられた。ビンキュリン結合能のないαカテニン変異体の発現細胞ではより少ない細胞数で扁平になり始める傾向がみられ、重力の影響をより強く受けていることを想像させた。αカテニン-ビンキュリンの結合が外力へ対抗しながら立体的な形態を形成・維持していく上で必要であることを示唆する予備的な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外力に対抗し、細胞間に強い張力を発生させながら進行するような形態形成のin vitro モデルの立ち上げに着手したが、細胞間接着装置の張力感受性の違いが形態に反映され、その意義を明瞭に評価することのできる実験系が確立できていないため。また張力に依存しない場面においても、張力感受性の異常が細胞間接着装置の構築や再編成にどのような影響をもたらすかについての情報が得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、残る疑問点を解決し、これまでに実施してきた実験から得られた知見をつなぎ合わせることで張力-細胞間接着装置-上皮形態形成の関係の全体像を明らかにするための検討を行っていく。形態形成に張力を要する場合とそうでない場合でそれぞれどのように細胞間接着装置の張力感受性が意義を持つかに焦点を当て、とくに後者に関してはモデルとなる実験系の改良を継続する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)