ディラック半金属薄膜の超高品質化とトポロジカル量子輸送現象の究明
Project/Area Number |
18J22132
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中澤 佑介 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | トポロジカル半金属 / ディラック半金属 / スピン軌道相互作用 / 弱反局在効果 / 分子線エピタキシー / 化学置換 / ワイル半金属 / ワイル軌道 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cd3As2の電子状態の非自明性は、大きなスピン軌道相互作用を起源とするバンド反転に由来するが、このバンド反転エネルギーを増大させることにより、カイラル異常等のトポロジカル半金属の非自明な量子輸送現象の変調や、量子閉じ込め効果による量子化スピンホール絶縁体状態の実現などが期待できる。化学置換は電子構造制御の代表的な手法であるが、Cd3As2における化学置換は非常に困難であるため報告例は限定的であり、特に、スピン軌道相互作用およびバンド反転量を減少させる、ZnやPによる化学置換に限られていた。バルク試料の合成法と比較し、分子線エピタキシー法は熱的非平衡状態での試料合成が可能であるため、Cd3As2に化学置換を施す手法としてより効果的であると考えられる。そこで本年度は、Cd3As2のバンド反転量の増大を企図し、スピン軌道相互作用の大きいSbによって化学置換を施した、Cd3As2薄膜を作製し、その量子輸送特性の評価を行った。分子線エピタキシー法を用いることにより、これまでに報告例のないCd3(As1-ySby)2薄膜について、置換量が系統的に異なる単結晶薄膜試料が得られた。輸送特性については、Sb置換量の増大に対して、n型からp型へのキャリアタイプの系統的な変調に加え、磁気抵抗測定において弱反局在効果の顕在化が観測された。これを二次元および三次元の弱反局在効果のモデルを用いて解析することにより、各Sb置換量におけるスピン軌道散乱確率の評価を行った結果、Cd3As2におけるスピン軌道散乱確率が大きく増大することが確認された。また、Sb置換によるバンド反転エネルギーの増大量を推定し、キャリア密度から算出されたフェルミ準位との比較を行った結果、Sbによる化学置換により、Cd3As2のフェルミ準位をバンド反転領域内に調整することが可能であることを示す結果が得られた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)