哺乳類卵管の炎症と上皮形態異常が導く排卵卵子のpick-up障害
Project/Area Number |
18J22313
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Integrative animal science
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細谷 実里奈 北海道大学, 大学院獣医学院, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 自己免疫疾患 / 不妊症 / 繁殖障害 / 卵管 / 卵子pick-up |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫異常は雌性不妊発症の一因となるが、その病態発生機序は明らかでない。自己免疫疾患モデルマウスであるMRL/MpJ-Faslpr/lpr(MRL/lpr)は卵管において炎症、線毛上皮形態の異常及び卵子pick-up障害を呈する。本研究では、MRL/lprにおける卵子pick-up障害の病態発生機序を解明し、その知見を臨床応用へ繋げることを目的としている。 本年度は、MRL/lprの卵管機能低下を導く直接的要因として特に線毛異常に着目し、3及び6ヶ月齢のMRL/lprとその対照群を用い、卵管ロート部及び気管粘膜上皮の線毛機能を評価した。 6ヶ月齢MRL/lprでは、3ヶ月齢と比較して卵管ロート部及び気管粘膜上皮において線毛運動機能の指標である線毛振動数(CBF)が有意に低下した。3及び6ヶ月齢MRL/lprの相関解析において、卵管ロート部と気管のCBFが自己免疫異常の指標である脾重量/体重比と有意な負の相関を示した。加えて6ヶ月齢MRL/lprでは、同齢対照群と比較して卵管ロート部の線毛運動方向の同調性が有意に低かった。以上より、MRL/lprの全身性自己免疫異常は、適切な速さかつ同調した方向へ波打つ線毛の正常機能を変化させることで卵管の卵子pick-up機能を低下させると考察できる。 また、3及び6ヶ月齢MRL/lprの相関解析において、卵子pick-up機能の指標である卵子pick-up効率は卵管よりも気管のCBFと強く相関し、後者は有意な正の相関を示した。さらに、卵管と気管のCBFは有意な正の相関を示した。以上より、MRL/lprにおいて呼吸器粘膜上皮の線毛機能の変化が卵管機能の変化を反映する可能性を示した。 本結果は、免疫異常に起因する卵子pick-up障害の病態発生機序の解明、及び動物の呼吸器粘膜を用いた非侵襲的な生殖器機能評価法開発に向けて重要な知見を提供する。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)