Project/Area Number |
18J22965
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
加納 初穂 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 超解像顕微鏡 / ライブイメージング / 気管多繊毛上皮細胞 / 平面内細胞極性 / オートフォーカス技術 / 細胞生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウス気管多繊毛上皮細胞を研究対象とし、先駆的超解像ライブイメージング技術を用いることにより、気管多繊毛協調運動成立過程の詳細な動態観察と、新たに発見した上皮細胞表層骨格の解析を行い、平面内細胞極性と繊毛基底小体の配列・方向性の間に存在する秩序形成メカニズムを明らかにすることを目的とするものである。 5日間に渡る気管多繊毛上皮細胞の秩序形成過程を研究対象とするため、5日間の長期ライブイメージングを行うわけであるが、顕微鏡下で観察対象がランダムに上下に動くので、これまでは24時間人が張り付き、人力でフォーカスを合わせ続ける必要があった。本年度の特筆すべき進歩としては、これまでになかった新たなオートフォーカスの技術をオリンパス社との共同研究のもと新規に開発し、ライブイメージングの自動化に成功したことである。またこの技術の論文発表を目指して執筆までの計画を立て、本論文発表のためのデータ取得を試みた。 また本研究の根幹をになう、繊毛基底小体及び基底小体の方向性を示すBasal footの両方を、蛍光タンパク質でラベリングされたトランスジェニックマウスが、所属研究室内メンバーとの共同研究により樹立された。このトランスジェニックマウスから初代培養した気管多繊毛上皮細胞を用いた、繊毛基底小体及びBasal footを同時に動態観察する二色ライブイメージングに取り掛かりつつある。 またBasal footの配列において重要な役割を果たす上皮細胞表層骨格に関わるタンパク質について、論文執筆をすすめており、論文投稿段階に至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究における5日間に渡る長時間ライブイメージングは、観察対象であるマウス気管多繊毛上皮の初代培養細胞が顕微鏡下でランダムに上下に動くため、24時間人力でフォーカスを合わせ続ける必要があった。本年度の特筆すべき進歩としては、これまでになかった新たなオートフォーカスの技術をオリンパス社との共同研究のもと新規に開発し、ライブイメージングの自動化に成功したことである。またこのオートフォーカス技術の論文作成を目指し、執筆を始めたが、論文に必要なデータの約2/3取得が終わったところで体調不良のため論文作成に必要なデータを取得できなかった。 次に本研究の根幹をになう、繊毛基底小体と繊毛基底小体の方向性を示すBasal footの二色ライブイメージングの進展については、所属研究室においてBasal footの構成タンパク質をRFPでラベリングした遺伝子を導入したトランスジェニックマウスが樹立された。このマウスを従来から使用いていた繊毛基底小体がGFPでラベリングされたマウスと交配することにより、繊毛基底小体をGFPでBasal footをRFPでラベリングしたトランスジェニックマウスを研究室内メンバーとの共同研究のもと樹立しつつある。このマウスから初代培養した気管多繊毛上皮細胞を用いた繊毛基底小体及びBasal footを同時に動態観察する二色ライブイメージングに取り掛かったが、このトランスジェニックマウスから得られる初代培養細胞が、従来の基底小体をGFPでラベリングした単色の初代培養細胞と比べ、非常に弱く、ライブイメージングの光毒性に耐えられないという問題に直面した。 また、Basal footの配列において重要な役割を果たす上皮細胞表層骨格に関わるタンパク質について細胞生物学的解析を行った成果をまとめた論文執筆もすすめており、データ取得や論文執筆作業が終わり論文投稿段階に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでになかった新たなオートフォーカスの技術をオリンパス社との共同研究のもと新規に開発し、ライブイメージングの自動化に成功した技術の論文発表を目指し、特別研究員を再開できれば、データの取得を始める予定である。必要なデータの約2/3取得はすでに終わっているので、figure作り及び、文章の執筆に取り掛かっている。引き続き本論文発表のためのデータ取得とfigure作成及び論文執筆をすすめていく。 本研究の根幹をになう、繊毛基底小体と繊毛基底小体の方向性を示すBasal footの二色ライブイメージングについて「現在までの進捗状況」で報告した問題が発生している。特別研究員を再開できれば、この問題を解決するため以下の方策に取り組む。第一に初代培養の方法の改善である。従来の繊毛基底小体のみをGFPでラベリングした単色の初代培養細胞に比べ、Basal footをRFPでラベリングした二色の初代培養細胞は、その培養過程における細胞増殖が遅くなることがわかっている。その為、従来の方法より初代培養を開始する際の細胞数を増やすなどの対策を考えていく。次にライブイメージングを行う超解像顕微鏡の調整を考慮する。イメージングを行う際のレーザー強度及び露光時間の調整、タイムラプス撮影のインターバルの調整などを行い、よりイメージングによる光毒性がすくなくライブイメージングできる条件を模索する。これらでも解決しない場合、選択する顕微鏡の変更などといった従来のライブイメージング系の抜本的見直しを考える。 また、Basal footの配列において重要な役割を果たす上皮細胞表層骨格に関わるタンパク質の細胞生物学的解析についての論文を、近々投稿し、レビューの結果を受けて論文発表に向けreviseなどに取り組んでいく予定である。
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