Project/Area Number |
18J23057
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Asia and Africa
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
末野 孝典 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2020: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イブラーヒーム・ニヤース / イブン・アジーバ / イブン・アラビー学派 / セネガル / モロッコ / スーフィズム / ティジャーニー教団 / イスラーム / 北・西アフリカ / スーフィズム(イスラーム神秘主義思想) / モロッコ: セネガル / 思想的連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、コロナ・ウィルスの世界的蔓延という状況により、当初の研究計画通りに渡航調査を実施できなかった。そのため、当初より大きな研究計画の変更に迫られたが、 研究を進展させることができた。 まず『スーダーン年代記』と『探究者の年代記』を用いて、前近代西アフリカにおける聖者とバラカの両概念について検討した。当該地域において、聖者と政治権力者のあいだで〈バラカ〉がどのように機能しているのかに着目し、両者のより良い関係性を構築するうえで〈バラカ〉が必須条件であったことを明らかにした。この内容については、アフリカ学会学術大会で報告し、『イスラーム多文化共生の知恵』という論集の一部に採録されている。 またイブン・アラビー学派研究については大きく前進することができた。イブン・アラビーはイスラーム思想史上、偉大な神秘思想家のひとりと見做されており、彼以後の神秘思想家たちは少なからずその思想に影響を受けてきたとされる。そこで、イスラーム世界の周縁に位置づけられる北・西アフリカにおいてイブン・アラビー思想がどのように受容・深化されてきたのかを前年度に引き続き検討した。西アフリカの神秘思想家であるイブラーヒーム・ニヤースが『賢者たちへの警告』のなかで、イブン・アラビー思想を取り上げながら、ティジャーニー教団の教義との接合を図ろうとしていたことを明らかにした。さらにティジャーニー教団に属する北・西アフリカの神秘思想家たちが、イブン・アラビー思想に帰せられる〈完全人間〉論について、どのような形式に基づいて議論を展開していたのかを明らかにした。これらの内容はすでに研究会で報告しており、『アフリカ研究』に論文を投稿する準備を進めている次第である。 まだ多くの課題が残されているが、ひとまず北・西アフリカにおける神秘主義の思想ネットワークの一端を解明できたのではなかろうか。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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