存在論的な相互依存関係に関する基礎理論の整備と形而上学的諸問題への応用
Project/Area Number |
18K00014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Nihon University (2019-2023) Tottori University (2018) |
Principal Investigator |
鈴木 生郎 日本大学, 文理学部, 准教授 (40771473)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 根拠づけ / 相互依存関係 / 持続 / 同一性 / 死の害悪 / 死後説 / 現在主義 / 実体 / 存在論的依存 / 本質 / 種 / 形而上学 / 根拠付け / 依存 / 存在論 / 依存関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、相互的な存在論的依存関係(あるいは相互的根拠づけ関係)に関する理論的な整備を行い、その成果をさまざまな形而上学的問題に応用することである。こうした目的を達成するために、2023年度は以下の研究を進めた。 (A)根拠づけ問題の解決:「本質に関する依存関係」と「存在に関する依存関係」を区別する目的で、K. FineおよびE. J. Loweの著作の検討を昨年度に引き続き進めた。(B) タイミング問題の解決:死の害悪についての「タイミング問題」とは、死を迎える当人が死の害悪を被るのはいつかという問題である。この問題について、これまで一貫して死後説を擁護することを試みてきたが、本年度はより包括的な観点からこの問題を再検討した。一般に、死が当人にとって害悪であると主張する上での本質的な課題は、(1) 死後には主体が不在であるにも関わらず死が当人にとって害悪でありうることを示すこと、(2) 当人が経験不可能な害悪が存在しうることを擁護すること、(3) 死の害悪のタイミングを特定することの三つである。本年度はこれら三つの課題をそれぞれ検討し、(1)と(2)の課題については、死の害悪を根拠づける事実の明確化と、害悪の哲学に関する方法的な考察に基づいて答えられるという着想を持った。他方で、(3)の課題についてはより「デフレ」的な解決策が望ましいと考えるに至った。現在、こうしたアイディアを論文としてまとめる作業を行っている。(C) 現在主義の批判的検討:前年度に、現在主義が持続を根拠づける(持続を形而上学的に説明する)事実を特定できないことを指摘する論文を出版したが、本年度はさらに、現在主義において「持続」がどのように理解可能となるのかについてより深く検討することを目指した。(D)実体概念の検討:前年度に引き続き、実体の独立性に関する研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、上述の(B)については進展が見られた。ただし、昨年度に比べてより包括的な考察を目指したため、発表ないし論文投稿まで至らなかった点は反省すべき点である。また、(C)の研究については一定の進展は見られたが、現状ではまだ成果に結び付けられていない。(A)と(D)についてはやや研究の進展が遅れているため、この点は改善が必要だと思われる。以上の成果を踏まえ、本年度の評価を「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の(B)の研究については可能なかぎり早急に論文化し学会誌に投稿するとともに、従来の研究を含めたより包括的な著作とすることを目指す。また、次年度はサバティカルを取得し、一年間イタリアのミラノ大学に所属し研究を進める予定のため、そこで(A)、(C)および(D)の研究を集中的に進める予定である。関連して、ヨーロッパ各地で開催される学会に参加することを通じて、研究に関する情報交換も併せて行う。
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Report
(6 results)
Research Products
(7 results)