近世仏教説話集の知的基盤についての研究-寺院所蔵の出版物及び聖教との関わりから-
Project/Area Number |
18K00293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division (2019-2022) Nihon University (2018) |
Principal Investigator |
山崎 淳 武庫川女子大学短期大学部, 日本語文化学科, 教授 (20467517)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 九華山地蔵寺 / 蓮体 / 浄厳 / 新安祥寺流聖教 / 悉皆調査 / 近世仏教 / 寺院所蔵刊本 / 寺院文献資料調査 / 地蔵寺 / 新安祥寺流 / 近世 / 仏教文学 / 説話文学 / 寺院所蔵文献 / 近世仏教説話集 / 真言密教 / 版本 / 寺院文献調査 / 真言寺院 / 近世説話集 / 出版 / 聖教 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はようやくコロナ禍も収まりを見せつつあったため、研究課題における主要な作業である寺院所蔵文献資料調査の継続的実施を再開した。 調査を実施したのは瓶井山禅光寺安住院(岡山県岡山市)と九華山地蔵寺(大阪府河内長野市)である。前者に関しては、成果公表の一つである『寺院文献資料学の新展開』第四巻刊行に向けた最終的な資料確認を行った(2022年7月刊行)。報告者の扱った資料は『西行物語絵巻』であり、これは従来全貌が紹介されていないものであった(論文名「安住院蔵『西行物語絵巻』の特色――附、翻刻」、単著)。 後者に関しては、相当量が残っている開基・蓮体の自筆本、所持本など本研究課題の核となるであろう資料の本格的な調査を進めていった。具体的には資料が納められている箱の整理、文献資料の調書作成、重要資料の写真撮影である。当該年度は、『寺院文献資料学の新展開』第八巻の刊行に向けた基礎作業として、調書をデータ入力の形で作成した。『寺院文献資料学の新展開』第八巻は新安祥寺流(以下、新安)という真言密教の一流派を軸とするので、まずは新安の聖教が納められている箱(計10箱)の清掃と資料の番号付けを行い、その時点で蓮体関係資料を弁別していった。なお、蓮体の師匠である浄厳の関係資料も合わせて対象とする方針である。 当該年度は以上に記述したように、対象を絞った形にはなっているが、本研究課題は地蔵寺所蔵文献の悉皆調査を目的としているので、蓮体より後の文献資料も選別の際には注意を払っている。また、文字資料のみならず絵画資料も所蔵されているので、どのようなものがあるかについても簡単な形であるが確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度、2021年度は、研究の中心となるはずだった現地での調査がほとんどできなかった。その2年分を1年ですべて取り返すのは2022年度もコロナが完全に収束したわけではなかったので物理的には無理であった。 しかしながら、少しずつ寺院、特に地蔵寺の経蔵の中身を確認していくことで、どのような形で調査を進めていけばいいのか、現時点ではどこを中心にしていけばいいのか、という方針をほぼ固めることができた。その方針に基づき、調書の作成を中心に進めていった結果、これまでほぼ未紹介であった地蔵寺聖教の全貌が形を見せてきたと考えられるようになった。また、地蔵寺のみならず、他地域、特に中国・四国の諸寺院との関係も、当初予想していた以上に強いことが明らかになってきた。 以上の点から、本研究課題の進捗状況は順調であると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を継続する形で進めていく。特に当該年度後半から軌道に乗りつつある地蔵寺聖教の調査については、調書・画像いずれもできる限りデータを蓄積させていく。と同時に、重要な資料については写本・刊本を問わず精査し、その成果を公表することで寺院所蔵文献というものの価値を高めていく。 なお、現時点で主に調査に携わっているのは地蔵寺、安住院、覚城院(香川県)だが、近世における新安の広がりや蓮体・浄厳との関わりからすると、もう少し調査対象を広げることも視野に入れている。
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Report
(5 results)
Research Products
(7 results)