Translanguaging and contextualization in heritage language speakers' everyday interaction: A comparative study of Okinawan diaspora communities
Project/Area Number |
18K00577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮平 勝行 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (10264467)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 沖縄ディアスポラ / 継承言語 / 沖縄語 / メタ・コミュニケーション / 継承沖縄語 / コード切替 / スピーチコード / 継承語 / 言語横断 / 沖繩ディアスポラ / インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はハワイ沖縄県人会(HUOA)がYouTubeで公開しているHUOA Yuntaku Live!を中心に沖縄ディアスポラの談話を分析した。毎回ゲストを招いて対話形式で進行するこのウェブキャスト番組は,これまでに68回を記録し,今後も継続が予定されている。本調査では,主に舞台芸術家をゲストとして招いた番組に焦点を当て,三線奏者や琉球舞踊演者がその唄や踊りに込めた思いを番組司会者と語る対話やグループ会話を分析した。登壇者の英語発話に現れる沖縄語の語彙や沖縄語,日本語,英語を含んだコード切替などをスピーチ・コード理論に基づいて分析した。その結果,沖縄ディアスポラの舞台芸術家は自らの内にある混成性(ハイブリディティ)と沖縄との歴史的連続性を重視し,演目に込められた,記憶の断片から想像した祖国の物語を聴衆と共有することを通して沖縄ディアスポラのコミュニティ形成に大きく寄与していることがわかった。舞台芸術に込められたこうした物語は,HUOA Yuntaku Live!に見られるような「ユンタク」(茶飲み話,雑談)という固有のコミュニケーション儀式を通して浸透し,ウェブ・プラットフォームを媒介として広く共有され、国境を越えて人と人を結ぶ役割を担っている。この越境型の共同体を創造する基盤をなすのが沖縄語語彙のメタ・コミュニケーション機能、そしてそれらを契機として創造される物語である。分析の結果明らかになったこうした点をまとめた論文を『欧米文化論集』に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度も新型コロナウイルス感染症により年間を通して海外渡航が制限されたこともあり,海外でのフィールドワークによるデータ収集が計画通りには進まなかった。加えて,研究協力者が研究プロジェクト期間中に退職したことが影響し,ポルトガル語やスペイン語圏と英語圏の沖縄ディアスポラの比較研究が滞っている。そうした実状を踏まえ,研究期間を令和5年度まで一年間延長した上で,ウェブ上で公開されているHUOA Yuntaku Live!やブラジルのうりずん会が発信しているYuntakukaiなどの談話データを最大限に活用した越境型の沖縄ディアスポラ言語共同体の研究を行った。これまでに,海外における沖縄県人のコミユニティを維持する原動力となっているのがメタ・コミュニケーション語彙としての沖縄語,「ユンタク」というコミュニケーション儀式,舞台芸能を通じた共有の物語の創造などであることを示すことができた。こうした共同体のネットワークがウエブを媒介として郷土沖縄を巻き込みながらグローバルに広がっていく中,沖縄語語彙のメタ・コミュニケーション機能が共有基盤の形成にますます重要になってきていることも示すことができた。渡航規制が緩和される令和5年度は,こうした考察内容を沖縄ディアスポラに出向いて検証し,研究プロジェクトを総括したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年10月に開催された「第7回世界のウチナーンチュ大会」のフィールドノートやインタビュー記録をもとに,世界のウチナーンチュを結びつける原動力は何なのかについて引き続き探究する。渡航制限が緩和される令和5年度は実際に海外の沖縄県人コミユニティに赴き,参与観察や聞き取り調査を行う予定である。舞台芸術を中心に沖縄の伝統芸能に従事する人々を対象に参与観察や聞き取り調査を実施することで,先述のメタ・コミュニケーションとしての沖縄語表現や沖縄語を契機として創造される物語をより広く収集する計画である。多様な物語を横断的に分析することで地域をまたいだ越境型の沖縄県人ネットワークを支える共有のメタ・コミュニケーション語彙や固有の物語を見だしたいと考えている。 3年に及び新型コロナウイルス感染症の影響で,当初予定していた言語混交の研究に必要な自然会話のデータを海外で入手することができなかったため,研究の進路を幾分変更することになった。継承沖縄語による場の脈絡化という立脚点は変えずに,最終年度の今年は継承沖縄語のメタ・コミュニケーション機能について更に探究していく計画である。
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Report
(5 results)
Research Products
(7 results)