口腔悪性腫瘍におけるPKM2の機能および関連因子間制御機構の解明
Project/Area Number |
18K07033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
橋本 修一 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00243931)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2018: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | PKM2 / TGIF2 / EMT / Warburg effect / 口腔上皮性異型性 / 口腔扁平上皮癌 / 口腔上皮性異形成 / Oral SCC |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ピルビン酸キナーゼ(PK) M2は癌細胞でのエネルギー産生における嫌気的解糖系の触媒としての機能ばかりでなく、癌細胞における核内移行型PKM2が癌の進展を促進するという新たな機能が注目されているが詳細は不明である。本研究では、口腔扁平上皮癌におけるPKM2の発現解析から、その機能や制御機構の解明を目的とした。 1年目は、口腔上皮性異形成(OED)および口腔扁平上皮癌(OSCC)に対する免疫組織化学的発現解析から、PKM2はOEDよりOSCCで、また、OSCCでは組織分化度が低くなるほど発現が増強し、核での発現が顕著となった。TGIF2はPKM2と負の発現相関がみられ、PKM2高発現およびTGIF2低発現は、EMTを介したOSCC浸潤に関与し、この傾向は、in vitro 実験系でも同様であった。また、TGIF2はタンパク翻訳後に分解制御されることも見出した。以上の結果をまとめ、Oncotargetでの誌上発表を行った。 2年目は、INF-γと癌細胞の増殖能増強との関連が注目されているため、INF-γのPKM2発現制御との関連について検討を行った。OSCC癌細胞株であるHSC4細胞株をINF-γ刺激下で24h培養した結果、PKM2のタンパク発現は増加傾向を、TGIF2は減少傾向を示したが有意差はみられなかった。また、細胞免疫染色の結果からもINF-γ刺激で核内発現への移行も明らかではなかった。今後はINF-γによる24hより長期刺激による比較解析が必要であると考えられた。 3年目は、腫瘍微小環境における腫瘍免疫とOSCC癌細胞における増殖能およびPKM2発現との関連につき検討を行った。OSCC細胞株におけるIFN-γ刺激によりOSCC癌細胞のTrp代謝系の誘導を認めたため、現在PKM-2発現とTrp代謝系活性化との関連につき検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目は順調に研究が進展し、研究実績の概要の項でも述べたように、それなりの結果が得られ途中経過としての結果をまとめることができ誌上発表まで達成できた。2年目もおおむね順調に研究が進み新たな課題も見つかりそれらの解明に向け実験を行った。しかしながら、3年目(令和2年度)は新型コロナ禍の影響で学生や職員に感染陽性者が出たため在宅業務や時差出勤の対応となり、また、学生講義が対面授業から急遽オンラインでの授業に変更せざる得なくなったため、それらの教材の作成や対応に時間が割かれ研究時間を大幅に削減せざる得なくなった。これにより当初の予定の実験を遂行することが難しくなった。これらの経緯が現在やや遅れていると判断した主な理由である。これにより、令和2年度研究期間の延長を申請し認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目(令和2年度)に完遂できなかった、腫瘍免疫とOSCC癌細胞における増殖能およびPKM2発現との関連における、OSCC細胞株に対するIFN-γ刺激によるOSCC癌細胞のTrp代謝系活性化の誘導とPKM-2発現との関連を中心にさらなる検討を行っていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)