精密試料採取手法に基づく北極海の海氷域における硫黄循環像の解明
Project/Area Number |
18K11612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀山 宗彦 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70510543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 恒二 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80277871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 硫黄循環 / 硫化ジメチル / 海氷 / 北極海 / メルトポンド |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は前年度2月におこなったサロマ湖での観測で得られた海氷およびその周辺天然水試料の硫黄有機化合物(ジメチルスルフォニオプロピオネート、DMSP)の濃度定量を進めた。この結果から海氷底部におけるDMSP濃度極大を確認し、これは前年度に現場で測定した硫化ジメチル(DMS)の極大と一致した。これは海氷底部に濃縮するアイスアルジーがDMSPを多く精製し、そのDMSPが分解されて生成するDMSが海氷中に放出されていることを示している。最終年度は硫黄有機化合物の分析と共に関連するDMSP分解酵素の遺伝子発現の分析も進めた。これらのデータは現在総合的に解析を進めているところであり、2023年度以降前端を取りまとめ公表する予定である。 研究期間全体としては、当初予定であった北極海海氷域での試料採取が新型コロナウイルス感染症の拡大によって困難となったため研究の方向性を大きく変更する困難に直面し、予定とは大きく異なったものとなった。感染症が縮小され試料採取の機会を得られる想定して、1年強は試料を採取することなく当初予定のまま実行を目指したが感染症の長期化を鑑み、国内の代替環境を検討した結果、北海道サロマ湖における結氷環境で当初予定した技術を利用して研究を進めることとした。海氷環境とは特に現存する藻類種が異なることや、海氷下水も塩分等の環境が異なる場ではあったが、海氷に付着するアイスアルジーの生息環境付近での高解像度の試料採取を実施することができ、この結果はこれまでに報告例が少ない貴重なデータセットとなった。今後この内容を取りまとめると共に、全世界的な新型コロナウイルス感染症の改善によって実際に北極海における海氷域での観測をおこない、本研究との比較をおこなうことでより詳細な理解が進められると予想している。
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Report
(5 results)
Research Products
(6 results)