Project/Area Number |
18KK0123
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 23:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | Okayama University (2022-2023) Yokohama National University (2018-2021) |
Principal Investigator |
鳴海 大典 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (80314368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺輪 貴史 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (50361796)
井原 智彦 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (30392591)
川久保 俊 法政大学, デザイン工学部, 教授 (50599389)
大塚 彩美 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 特任研究員 (80830603)
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Project Period (FY) |
2019-02-07 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2019: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2018: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | ヒートアイランド現象 / 暑熱リスク / シナリオ設計 / 費用便益分析 / 地域特性 / 都市温暖化 / 将来シナリオ / ガイドライン / 国際共同研究 / 対策 / ガイドライ ン |
Outline of Annual Research Achievements |
暑熱ガイドラインの現状調査に関連して,大塚はオーストラリア各州都を含む10都市を対象に気候変動やUHIの現状や政策策定状況等を文献調査した.多くの場合が気候変動(適応)策の中での言及であること,まずはリスク評価を重視すること,人口増加による都市の内陸へのスプロール化が進む地域では自治体連合が政策策定をするも対策実施に困難があること等が分かった.また,浅輪は気候特性や社会的背景の異なる日本,フランス,インドネシアの三か国を対象に大規模なWEBアンケート調査を実施し,住民の暑熱緩和策の導入意志と気候・社会的要因との関係性を明らかにするとともに,各地域を対象に暑熱対策の系統的レビューを実施し,各気候特性ごとに効果の高い対策と,住民が実際に導入している対策との関係性を明らかにした. 暑熱リスク対策の導入効果の事例評価に関連して,鳴海は米国ロサンゼルスを対象として,暑熱対策の導入による気温変化をWRFモデルにより評価するとともに,気温変化に伴う間接的なエネルギー消費量の変化をエネルギー消費に関する気温感応度を用いて評価するとともに,直接的なエネルギー消費量の変化をEnergyPlusにより評価した.また,日本の大阪府や岡山県で得られた結果と比較することで,対策導入効果に関する地域特性を評価した.井原はジャカルタを対象として月別全死因データを入手し,日別気象データと合わせて解析した.データ数の制約で5%有意水準では必ずしも有意な結果は得られなかったものの,年代と全死因死亡率の関係,学歴と気温影響リスクの関係,地域(都心・郊外)と死亡リスクの関係,住宅構造(コンクリートなど)と健康リスクの関係について定量化し,原因についても考察した.川久保は世界有数の都市である東京の都市キャノピーの赤外画像に対して深層学習技術を適用し,道路路面部分を抽出してその温度分布を把握することを試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界各国を対象とした暑熱ガイドラインの現状調査に関しては,2020年から3年を超えるCOVID-19の世界的なパンデミックにより各構成員が連携,協力関係にある研究機関とのコミュニケーションが滞り,十分な調査を行なうことができない状況が続いた.今年度はようやく各構成員の所属機関においても海外渡航が可能となり,徐々にではあるが,研究交流を再開している状況である.そのような状況下で本年度は北米やオーストラリアとの連携を図ることができた.次年度は引き続きこの輪をさらに拡大し,当初想定していたマレーシアやインドなどとも連携関係を再構築していきたいと考えている.以上の理由から「やや遅れている」と評価される. 暑熱リスク対策の導入効果の事例評価に関しては,鳴海は北米ロサンゼルスを対象として暑熱対策導入効果を評価するとともに,日本の各都市で得られた結果と比較することで,対策導入効果に関する地域特性を評価した.川久保は世界有数の都市である東京の都市キャノピーの赤外画像に対して深層学習技術を適用し,道路路面部分を抽出してその温度分布を把握した.しかしながら,各構成員の事例評価については,まだ「暑熱リスク軽減策のガイドライン」検討に資する成果を十分に得た状況とは言い難いため,引き続き各構成員による各国の分析を続ける必要がある.以上の理由から「やや遅れている」と評価される. 以上を総合して,現在までの進捗状況としては「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究課題の最終年度になることから,本年度に引き続き,各構成員が世界各国を対象とした暑熱ガイドラインの現状調査を行なうとともに,暑熱リスク対策の導入効果を事例的に評価し,最終的に得られた成果を基にして「暑熱リスク軽減策のガイドライン」の検討までを行なう予定である. 2020年から3年を超えるCOVID-19の世界的なパンデミックにより各構成員が連携,協力関係にある研究機関とのコミュニケーションが滞ってきた現状において,次年度は国際的な往来も平時に近い状況となることから,積極的に関係機関との現地交流を再開することで,可能な限りの遅れを取り戻したいと考えている. この点に関して,豪州を担当する大塚は研究の残余期間に鑑み,アンケート調査への切り替えを念頭に,オーストラリア各州の州都10都市を対象に自治体の取り組みについての調査を開始ししており,共同研究者のアドバイスも仰ぎながら,今後の調査設計や対象都市の絞り込みを行う予定である.なお,本研究課題では米国LBNLとの協働により「暑熱リスク軽減に関するワークショップ開催」を目指していたが,COVID-19のパンデミック以降は日本のみならず,世界各国の研究交流が滞っており,研究の残余期間を鑑みると,当初想定していた関係機関が一堂に会する現地での交流イベント開催は困難な状況にある.したがって,引き続き各関係機関と個別での現地もしくはオンラインによる情報交換を進めていく予定である.
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