ロシアにおけるネオ・ユーラシア主義の再検討―アジアと新興国の視点から
Project/Area Number |
18KK0329
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | University of Shizuoka (2019-2022) Hitotsubashi University (2018) |
Principal Investigator |
浜 由樹子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (10398729)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
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Keywords | ネオ・ユーラシア主義 / ユーラシア主義 / ディアスポラ / ロシア / ファシズム / 地政学 / ファシズム概念 / イデオロギー / 比較思想史 |
Outline of Research at the Start |
1990年代以来、ロシア社会で影響力を増し続けている「ネオ・ユーラシア主義」の思想・イデオロギーは、極右思想や「反米主義」というレッテルを貼られがちであるが、その実態をより構造的に捉えれば、近年の「東方シフト」と呼ばれる外交理念にもプラグマティックに反映されていることを指摘できる。他方、近年の欧米諸国の学界における研究は、ヨーロッパの極右思想との比較研究等で発展を続けているが、もっぱらヨーロッパとの関係に焦点が定められており、ロシアとアジアの関係という観点からの分析はまだ追いついていない。 本研究は、ポスト冷戦期の非欧米地域の思想動向との比較という観点から、その再検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
ジョージ・ワシントン大学エリオット国際関係大学院内ヨーロッパ・ロシア・ユーラシア研究所での研究ミーティングに参加し、昨今のアメリカにおけるロシア研究が置かれている状況全般や、ネオ・ユーラシア主義の研究に関する貴重な情報交換の機会を得た。共同研究者のマルレーヌ・ラリュエル所長とは、今後の共同研究計画についても話し合う機会を持った。 2022年に始まったロシア・ウクライナ戦争の結果、ロシアへの渡航が難しくなり、現地での資料収集や情報収集が極めて困難な状況下で、いかに一次資料にもとづいた堅実な実証研究を進めるか自体が、国際的なロシア研究者コミュニティの課題となっている。これに対し、既に研究者個人や研究所が所有している資料の共有だけでなく、オンライン上で使用可能になってきたロシア語資料や、在ロシアの研究者から発信される研究成果の活用、同研究所の研究員が著したSNSを一次資料とした比較的新しいタイプの研究など、様々な方策が試されていることを学んだ。 ここで得た知見をもとに、本研究期間内にロシアへの渡航が再開できない可能性を視野に入れ、使用を見込んでいた一次資料の一部変更ならびに研究アプローチの修正を検討している。同時に、新たな国際共同研究の方法を、共同研究者たちと検討しているところである。 また、ワシントンD.C.の米国議会図書館では、北米のロシアならびにウクライナ・ディアスポラの思想とその還流に関する資料調査を行い、本研究課題に新しい視角を加えることができた。ここでは、研究代表者の亡命者に関するこれまでの研究蓄積が功を奏したと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大により、海外への渡航が思うようにできない時期が続いたこと。ロシア・ウクライナ戦争により、ロシアでの共同研究が未だできない状況にあること。研究代表者の家族の難病発症と介護等の家庭の事情により、長期渡航ができない期間があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
戦争が長期化している中で、残された研究期間中にロシアへの渡航ならびに同地研究機関での共同研究ができないままとなる可能性を考慮に入れる必要がある。今回のアメリカでの短期渡航の結果、共同研究者を変更し、当初見込んでいた一次資料(一部)の使用を見直すことが可能という見解に達した。現在、研究アプローチを若干修正することを検討中である。
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Report
(4 results)
Research Products
(8 results)
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[Book] ファシズムとロシア2022
Author(s)
マルレーヌ・ラリュエル(浜由樹子訳)
Total Pages
432
Publisher
東京堂出版
ISBN
9784490210644
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