Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Research Abstract |
本研究は,「経済的距離は企業の生産性に如何なる影響を与えるか」というMarshall(1920)が提示した問題について,企業間の知識のスピルオーバー・情報の共有におけるIdeaの役割に焦点を当て,生産関数の推定に依り実証的に分析する.自動車組立企業を核,部品企業を周縁とする核・周縁構造を仮定し,日本の自動車部品工業に関して事業所レベルの生産関数を推定する.そこでは生産性が,事業所の物理的距離のみならず,企業が技術協力団体に加盟しているか否かの関係性にも依存し,それらによって表わされる経済的距離の関数であると仮定する.推定では,標準的なOLSとGMMに加えて,誤差項間の空間的依存性・生産要素の決定の同時性を計量経済学的に考慮する.推定の結果,正の技術的外部性が一般的,および独立系の事業所に関して見られた.この事実は生産関数の定式化に依らず頑健性を有する.一方,組立企業と関係特殊的である部品事業所,技術協力団体に属する事業所に関しては,むしろ負の技術的外部性を示すケースが多く見られた.また,生産要素の決定の同時性の問題を考慮した推定の一部においては,生産要素に関して収穫逓増ではなく,収穫逓減の結果が示された.この点は,日本の自動車部品工業において集積効果があるとすれば,収穫逓増によるのではなく,事業所間の技術のスピルオーバーに起因していることを示唆している.
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