森林開発と人口増加・移動がもたらす感染症リスクの質的・量的評価
Project/Area Number |
19651013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental impact assessment/Environmental policy
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
砂原 俊彦 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 助教 (50264156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 政博 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90131937)
橋爪 真弘 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30448500)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 感染症 / 熱帯病 / 森林開発 / マラリア / デング熱 / コレラ / 気象変動 / 流動人口 / エイズ / 下痢症 / リーシュマニア / 洪水 |
Research Abstract |
バングラデシュの首都ダッカにおける過去20年間の気象データとコレラやその他の下痢症患者数のデータベースを構築した。このデータを用い、降雨量および気温と患者数の関連を時系列統計解析を行なって調べた。その結果、週平均降雨量の増加によりコレラ患者数は14%増加し、コレラ以外の下痢症は5%増加することが明らかとなった。逆に、平均降雨量が減少してもコレラ患者数が増加することも明らかとなった。 森林環境を好むマラリア媒介蚊Anopheles dirusのベトナムの森林伐採地における分布を、高解像度の衛星画像と標高データから得られる地被覆および地形の情報を利用して解析した。一般化線形モデルにより、この蚊が森林から20km程度の範囲では自然林に依存していないこと、深い谷があるような地形に多いこと、ゴムの植林地は生息に不適だがカシューナッツの植林地は好適であるらしいことが明らかになった。この地域のAn. dirusは森林から農地へと生息環境を移行させており農薬に用いられるピレスロイド系殺虫剤への抵抗性の獲得が懸念される。 都市環境で人工容器を主な発生源とするネッタイシマカに媒介されるデング熱動態の数理モデルを、マイクロソフトエクセルをベースにして開発した。気温、湿度、降雨量が蚊の発生源の数や蚊の生存率、蚊の体内でのウィルスの潜伏期間に影響するというメカニズムを微分方程式で表した。容器の数などを未知のパラメータとし、適当な初期値を代入したモデルに現実の気象データを入力し、計算されたデング患者と現実のデング患者との差が最小になるように未知のパラメータを決定するSimplex法をプログラムに組み込んだ。このモデルを用いてデング熱患者を最小にする殺虫剤噴霧のタイミングを計算したところ、先行研究で示されたものとは異なり患者数のピークよりも前が最適であると結論された。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)