計算ホモロジーによる流れ場構造解析法の開発とその乱流現象への応用
Project/Area Number |
19654014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (10303603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 裕章 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10432709)
松本 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20346076)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 計算ホモロジー / 二次元クエット流 / カオス / 流体力学 / 壁乱流 / 力学系理論 / 数理流体力学 |
Research Abstract |
昨年度の課題であった, 計算ホモロジーによる楕円型の不動点の検出の精密化に取り組み, データ構造の見直しなどを行うことで, 比較的簡単な流れ場における検出は可能になったしかし, ターゲットとする乱流のような構造からすべての不動点を抜き出すには, 数値計算精度の向上などがさらに必要であることもわかった. このアルゴリズムを二次元のクエット流に対して応用した. この流れにおいては乱流状態があるかどうかも不明であるため, 数値実験を多数繰り返すことが必要であった. その結果, 最終状態としての乱流状態は確認されず, 時間発展初期に乱流遷移領域時間があることが分かったので, これに対してアルゴリズムを適用して検出を試みた. 乱流が発達する状態では多くのサドル型の停留点構造が発生するが, 乱流が減衰していくにつれその数は減り, 最終的一には定常解に漸近する過程で大きな楕円型の流れが残るのみとなった. それらの停留点の統計的性質も調べたが, そこから有効な情報を抜き出すことは困難であった. ただし, 壁付近でのサドル停留点の生成が乱流遷移中の複雑運動に寄与していることがわかった. 上記の研究成果について論文誌などへの公表には至らなかったものの, 今後はここで開発された数値アルゴリズムを様々な流れに応用することで, 萌芽研究の成果を活かしたい. この研究をすすめる過程で, カオス的流れや乱流形成に関わる流れ方程式の特異渦構造の形成などの理論的・数値的成果は多数得られた. これらの流体方程式の流れに対して計算ホモロジーを使ったさらなる解析を進め, 複雑流体現象の理解を深めることが可能になった.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)