金属的強相関電子系の測定を可能にする新しい強磁場電子スピン共鳴測定法の開発
Project/Area Number |
19654051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
太田 仁 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 英二 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00323634)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カンチレバー / 電子スピン共鳴 / 強磁場 / 物性実験 / 強相関電子系 |
Research Abstract |
カンチレバーを用いたESR測定の感度向上ならびにg値の高分解能化に向け、新たに磁場変調法式に基づく信号検出法を開発した。従来行っていた電磁波強度を変調する方式では真空中でカンチレバーの振動が誘起されるために微弱な信号が検出できないという欠点があった。磁場変調法式ではカンチレバーの不要な振動が誘起されないため、この問題を回避できる。測定系の開発では、ESR信号の線幅とジュール発熱を考慮し、1アンペアの電流で数10ガウス程度の交流磁場が発生できるように変調コイルの設計を行った。実際にホール素子を用いて発生磁場の評価を行い、コイルの特性を評価した。本研究では0.26mmの銅線を直径14mmのボビンに約50回巻いたものを使用した。コイル係数は35ガウス/アンペアであった。実際に作製した変調コイルを低温クライオスタットに装着し、磁場変調法式によるESR測定を行った。測定は4.2Kで行い、試料はCo Tutton塩単結晶を用いた。その結果、80GHzの測定周波数においてESR吸収波形の微分形としてESR信号の観測に成功した。信号の大きさは変調磁場の大きさとともに増大する結果が得られた。変調周波数を大きくすると渦電流による発熱が生じるため、本研究では200Hzで測定を行った。得られたg値(~3.29)は強度変調による測定結果とも一致した。信号雑音比は10程度であり、最小検出スピン数としては~10^<12>スピン/ガウスと見積もられた。これにより磁場変調法式によるカンチレバーESR測定法が確立した。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)