グロー放電発光分光法による耐食表面の高分解能解析法の確立
Project/Area Number |
19656184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
幅崎 浩樹 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (50208568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 公志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20271645)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | グロー放電発光分析 / 深さ方向分析 / ナノ薄膜 / 不働態皮膜 / ステンレス鋼 / スパッタリング |
Research Abstract |
グロー放電発光分光法(GDOES)がナノ薄膜の迅速分析法として有効であることを示し, 高分解能デプスプロファイルを得るための手法を確立する研究を推進した。まず, 耐海水ステンレス鋼であるSUS312L鋼を用いて, 異なる粒径のアルミナ研磨液を用いて試料を鏡面研磨した。その表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)を用いて計測し, GDOES分析における深さ分解能との相関関係を調べた。研磨条件によりステンレス鋼上に生成する大気酸化皮膜の厚さや組成が変化する可能性があるので, 深さ分解能の評価としてその皮膜直下に存在する銅濃縮層を指標として用いた。GDOESプロファイル上の界面濃縮層の銅のピークの半値幅は表面粗さの対数に対して直線的に変化し, 表面粗さの分解能の影響がきわめて大きいことを明らかにした。同じ鏡面研磨でも表面粗さをできるだけ低減することがナノ薄膜の分析において, 高い深さ分解能を得る上で重要であることを示した。 また, 従来のX線光電子分光法やオージェ電子分光法などの表面分析法では, 感度が低く, 塩化物イオン含有水溶液中で生成した不動態皮膜中の塩化物イオンをGDOESを用いることで検出できた。塩化物イオンは不動態皮膜中の鉄リッチな皮膜外層にのみ存在しており, クロムリッチな皮膜内層には達していないことを示すことができた。 以上のように, ステンレス鋼の不動態皮膜や大気酸化皮膜のような厚さ2-3nm程度の表面酸化皮膜でも, 十分に表面を平滑にした試料を用いることで, 高分解能, 高感度で分析できる手法を確立できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)