神経新生と神経保護による神経機能回復に関する検討ー羊膜細胞による微小環境効果ー
Project/Area Number |
19659371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
垣下 浩二 Wakayama Medical University, 医学部, 非常勤講師 (90382340)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 羊膜細胞 / 神経新生 / 再生医療 / 神経保護 |
Research Abstract |
羊膜は免疫性がなく、自己増殖能をもち、適切な環境下では腫瘍化することはない再生治療には理想的細胞である。今年度は、ラット脳室下細胞より神経幹細胞(neurosphere)を作製し、羊膜細胞由来の液性因子を注入することによってneurosphereの増殖効果があることをBrdUの取り込みにより示した。また、液性因子が神経幹細胞に対して、特殊なチャンバーの孔を細胞が変形して通過する能力(遊走能)を有することを証明した。ラット羊膜細胞由来の液性因子(条件培養液)を用いて、培養ラット神経細胞(ドーパミンニューロン、線条体ニューロン)の生存維持効果があることまた、神経毒(6-OHDA, NMDA)を加えた際にも同様に神経保護効果があることを証明。また、羊膜細胞由来の液性分子として、神経栄養因子として知られているBDNF, NT3, basic FGFが産生されていることを突き止めている。また、これらのデータをもとに、移植実験を計画、興奮性神経毒であるキノリン酸をラット線条体に注入し、線条体を破壊、その際に脳室下帯の神経幹細胞の動きを観察した。破壊後、脳室下帯の神経幹細胞は明らかな増加は認められなかったが、同時に羊膜細胞を移植した群では神経幹細胞の増殖がみられた。現在、増殖した神経幹細胞の遊走状況を観察検討中である。我々の研究は、羊膜がもつ多くのサイトカインや未知の液性因子による(1)神経栄養効果と(2)神経新生、遊走効果(3)分化誘導について検討し再生移植療法への可能性を探ろうというものである。もし、線条体ニューロンや大脳皮質ニューロンに対する神経保護作用や脳室周囲に存在する成体神経幹細胞の神経新生作用また遊走能があることが証明されれば、神経保護を目指した細胞療法のみならず、内在性神経幹細胞の神経新生促進と遊走そして分化誘導による神経再生も可能となり、羊膜細胞は脳梗塞、脳外傷に対する有力な移植再生療法の手段となりえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)