Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
【目的】腹圧性尿失禁に対して,近年骨格筋由来幹細胞移植が臨床応用されている。われわれは,ラットでの尿道括約筋障害モデルを作成するとともに,他の細胞源として,自己骨髄細胞移植が尿道括約筋の再生・機能の改善に寄与するかどうかを検証し,内因性尿道括約筋障害に対する治療法になりうるかを検討した。 【方法】1. リタイヤ雌性SDラットを用いた。開腹後,尿道を全周性に機械的に剥離し,筋毒素であるcardiotoxinを投与することにより,尿道括約筋障害モデルを作成した。 2. 事前に大腿骨または腸骨から骨髄細胞を採取・遠心分離し,培養した。培養細胞の性質は,flowcytometry,免疫染色により評価した。 3. 括約筋障害術後7日目に,培養骨髄細胞を,同一個体の尿道括約筋周囲へ注入・移植した。一部にはGFP標識細胞を移植した。 4. コントロールとして,開腹のみの群および括約筋障害術後に培地のみ注入した群(非移植群)を設定した。 5. 移植後1〜12週まで,経時的に尿漏出圧,膀胱容量を測定した。 6. 12週後に標本を採取し,免疫染色による評価を行った。尿道平滑筋についてはαSMA,横紋筋についてはskeletal myosin陽性領域を測定した。神経についてはPGP9.5染色により評価した。 【結果】1.上述手技により,ラットの尿道括約筋障害モデルを作成することができた。 2.ラットから骨髄細胞を採取,培養することができた。この際,培養細胞は筋細胞に分化することが示された。 3.同一個体の尿道括約筋部へ移植された自己骨髄細胞は,同部へ生着し,横紋筋細胞および末梢神経に分化することが示された。 4.対照群(非細胞移植群)に比べ,移植群では骨格筋,神経細胞数の優位な増加を認めた。 5.尿漏出圧は,移植後に時間とともに回復傾向を示したが,非移植群と比べて有意な差は認められなかった。 【結論】尿道損傷術後の機能回復のためには,骨髄細胞の移植手技や,移植細胞数について,更なる検討が必要と思われた。
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