Budget Amount *help |
¥3,660,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
白亜紀にはスーパークロンと呼ばれる数千万年以上に渡り地磁気が逆転しなかった時代が存在する(白亜紀スーパークロン:約1億2000万〜8400万年前).特に約1億2000万前には,オントンジャワ海台の形成,海洋無酸素イベント(OAE-1),そして白亜紀スーパークロンの開始という地球史上の大イベントが同時に発生しているため,これらのイベントが密接に関係する一連の地球システム変動である可能性が示唆されている.最新のマントル対流シミュレーションの研究は,圧倒的な熱容量を持ち地球システムを支配しているマントルの対流が約1億2000万年前に活発化し,地球表層への熱流量を増加させ,その結果として一連の地球システム変動を引き起こした可能性を示している.しかし,なぜマントル対流の活発化が約4000万年間にわたる逆転しない地磁気を作り出したのか?このメカニズムは未だ明らかでない.そこで本研究は,連続的に堆積した遠洋性石灰岩層を対象として,白亜紀スーパークロンにおける相対的古地磁気強度・方向変動の復元を試みる.そして,非逆転モード(白亜紀スーパークロン)と逆転モード(白亜紀スーパークロンの前後)における地磁気強度・方向変動における特徴を明らかにし,各モードにおける外核ダイナミクスの理解の一助とすることを目的とした. 本研究では,2007年6月31日から7月13日まで,イタリア中部に分布する白亜紀石灰岩層に対してフィールド調査に基づく詳細な地質柱状図の作成を行った.そして,白亜紀スーパークロン中と前後における高解像度の古地磁気永年変動記録を復元するために,それぞれの層準から約10mの連続サンプリングを行った.現在までに堆積岩中に存在する磁性鉱物の存在状態(量・種・磁区構造)の確認と,パイロットサンプルの測定を行い,残留磁化の安定性の検証を行っている.今後は,残りの試料の測定を進め,精度の良い相対的古地磁気強度・方向変動曲線の確立を目指す.
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