Project/Area Number |
19740289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
川村 有二 東京海洋大, 海洋科学部, 助教 (90380279)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,350,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2008: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 内部潮汐 / 反射・散乱 / 大陸棚 / 深海環境 / 海洋物理・陸水学 |
Research Abstract |
本研究では、海洋での海水混合を引き起こす要因の一つである内部潮汐による境界混合、特に反射・散乱に伴い発生する様々な周波数・波数を持つ波同士の非線形相互作用に注目し、その定量的な評価を行うことを目的とした。研究対象海域として顕著な内部潮汐が観測される相模湾北部、特に顕著な内部潮汐の反射・散乱現象が捉えられると推定される陸棚端付近を選び、2007年6月17日、7月8日、10月9日の3回に乱流計測計(Turbomap)を用いた横断観測を東京海洋大学研究練習船青鷹丸により実施した。また、横断観測と並行して、9月11日から11月30日までの約80日間水深急変部の海底上250m深に音響式流速計(ADCP)を設置し、内部潮汐の反射・散乱現象を捉えられるようにした。係留観測記録から、観測期間中卓越していた半日周期内部潮汐は、130-160m深でエネルギーが極大となり、位相は鉛直上方に向かい遅れるビーム状の構造を持っていることが明らかとなった。ビーム状の構造に含まれる鉛直スケールの小さい波は発生域から短い距離で減衰することから、反射・散乱により水深急変部の海底上で起こされたと考えられる。また、半日周期内部潮汐のエネルギーは、大潮・小潮周期で変動せず、黒潮が相模湾に接岸した時に、最大となっていた。乱流計測計により得られた海水混合の指標である鉛直渦拡散係数は、反射・散乱により生じたビーム状の内部潮汐が通過したと考えられる深度で極大となっていた。特に、黒潮の流路が相模湾に近い7月8日の時にその傾向は強く、内部潮汐が海水混合に大きく寄与していることが明らかとなった。今後、他の周波数の内部波についても注目し、その構造を明らかにし、非線形相互作用の海水混合への寄与について調べていく予定である。
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