Project/Area Number |
19750186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Polymer/Textile materials
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
澤井 大輔 理科大, 理学部, 助教 (00339110)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,710,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2008: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 炭素繊維 / 炭素収率 / ポリアクリロニトリル / 立体規則性 / コンフォメーション / 超配向 |
Research Abstract |
炭素繊維の前駆体であるポリアクリロニトリル(PAN)を用いて、低コスト・高性能炭素繊維作成につながるような、実験・研究を行った。はじめに、懸濁重合およびアニオン重合により立体規則性の異なる超高分子量PANを合成した。その結果、アタクチックおよびイソタクチック試料の合成が出来た。得られた超高分子量PAN粉末をもちいて、炭素繊維の物性を支配する工程、すなわち耐炎化工程の挙動を検討した。その結果、イソタクチックの立体規則性を有するPANの耐炎化反応(環化反応)が起こりにくくなると同時に、競争的に分子鎖切断反応が起こり、熱によって様々な構造に化学変化し、生成した低分子が気体になってしまうため、炭素収率が低下することがわかった。この原因について検討した結果、イソタクチック試料は一次構造としては、側鎖のニトリル基が同一方向に並んでいるため、環化反応が進行しやすいように見えるが、実際には3_1らせん構造を有するため、六員環が連なったラダーポリマー構造になりにくく、アタクチック試料は平面ジグザグ構造を主として有しているため、ラダーポリマー構造になりやすいことがわかった。このように、ラダーポリマー構造を形成しやすいコンフォメーションを前駆体として有することが、高炭素収率につながることを見出した。また、次年度に向けて超配向前駆体繊維の作製も行った。その結果、それぞれの試料で、延伸比50倍以上まで延伸が可能であり、超配向前駆体繊維の作製が出来た。次年度、この繊維を用いて炭素収率と性能を併せ持つ炭素繊維を作製する予定である。
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