Budget Amount *help |
¥3,650,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
本研究により,結晶に含有される悪性の欠陥を無効化し,LED素子を長寿命化させる手法を提案・実証することに成功した。 (1)素子劣化のメカニズムの解明:非発光性欠陥による劣化 電子・正孔の再結合を利用するLED素子の主たる劣化機構は,発光にあずからない遷移,つまり非発光電子・正孔再結合にあることを本研究より明らかとした。非発光性の欠陥を介した遷移により,電子エネルギーは熱エネルギーとして多重フォノンを放出する。すると,その欠陥は自己増殖,もしくは異常拡散を示す。この増殖,拡散といった欠陥反応により,活性層周辺の欠陥濃度が増加するため,光出力は低下する。つまり,LED素子の劣化は,欠陥における非発光電子・正孔再結合により引き起こされていることを見出した。 (2)LED素子の長寿命化手法:非発光性欠陥における電子・正孔再結合の人口的制御 素子の長寿命化のために,素子劣化の根本である「欠陥における電子・正孔非発光再結合」を人工的に制御する手法を考案した。欠陥に電子,正孔が捕獲される際には,有限の時間が必要である:その時間は,欠陥固有の物理量であるキャリヤ捕獲断面積と,キャリヤ濃度(駆動電流量)に依存することを本研究より明らかとした。この知見を基に,注目する欠陥が必要とする電子、正孔再結合時間よりも短い時間で素子を駆動することで,その欠陥における電子エネルギーの遷移を生じさせなくする,つまり欠陥を無効化することに成功した。実証例として,GaN系深紫外LED素子を大電流(〜500A/cm^2)で駆動し,本手法を適用したところ,従来の13倍にその半減寿命(初期光出力の半減となる時間)を改善させることができた。
|