軟組織の剥離特性を制御に入れた安全な手術支援ロボットの研究
Project/Area Number |
19760178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳原 勝 早稲田大, 理工学術院, 助手 (10434317)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,390,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 手術支援ロボット / 軟部組織剥離 / 手術支援マニピュレータ / 剥離手技 / 生体医工学 / ロボット工学 / 位置と力の制御 / 整形外科支援 |
Research Abstract |
近年医療現場では内視鏡と細長い術具(鉗子)を用いた内視鏡下手術(低侵襲手術)が注目されている。整形外科領域では、超高齢社会で手術のニーズが高く、下肢の機能を支えるのに重要な股関節や膝関節で行われ始めている。しかし、股関節や膝関節は骨の回りに軟部組織(筋肉、靭帯、血管、神経)が混み合い、切開や剥離といった患部へのアプローチのための処置が特に難しい。これより、低侵襲手術の対象は一部に限られ、より広い範囲へ対象部位を拡大することが求められる。 本研究では皮膚から患部まで、軟部組織と骨の間に道を作り、さらに骨のまわりに作業空間を作る「軟部組織剥離マニピュレータ」の機構と制御方法の開発を研究課題とした。将来的には、その空間に骨切りデバイスを持って入り込み骨を切る「骨切りロボット」と統合し、低侵襲手術支援システムの構築を構想している。 研究方法としては、まず軟部組織が剥離される際の術具と軟部組織と骨の関係について、術具まわりに働く静的な力学的関係に着目してモデル化し、働く力を要素実験で求めた。軟部組織が剥離される際、常に骨と術具先端が接触している必要があることが医学的手技として知られている。軟部組織と骨が比較的柔らかく張り付いている骨膜について、骨に対して垂直方向の力が3N以上で接触を維持し、剥離できることが分かった。 次に、研究代表者が以前試作した多関節マニピュレータを改良し、ベルト駆動方式でテンションセンサとエンコーダを用いて、骨と接触する力と位置を制御可能とした。 さらに要素実験で求めた力を目標値として組み込んだ、コンプライアンス制御により,直視可能な状態のIn vivo実験で連続的に軟部組織を剥離する動作の有効性を示した。これにより、整形外科領域において軟部組織を剥離するマニピュレーション技術の基盤を構築し、低侵襲手術の適用範囲拡大の可能性を示唆できたと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)