Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1.研究内容市販するカオリン土を採取して、物理特性及び化学成分を調べた。使われたカオリンの特性を下に示します:土粒子密度p_s=2.65、自然含水比w_n=0.5%、液性限界w_L=42.5%、塑性限界w_P=19.5%、シルト含有量45.8%、砂含有量54.2%。試料土の含水比を液性限界の2倍に調整して(w=85%)、セメント8%を添加して、高さ28cmの供試体を作製した。そして50kPaの圧密応力を掛けて、28日間アクリル浸透装置で養生した。圧密終了後、24cmの供試体を作成した。また、塩分濃度20g/Lの塩水を約35日間で供試体に浸透させた。通水応力が50kPaとした。浸透中に、50kPaの圧密応力を掛けた。また、浸透実験中、供試体底部からの浸出水について、塩分濃度、pH及び浸出水の容積を測定した。実験後、供試体をアクリルモールドから取り出し、厚さ4cm毎にカットして、各々に定体積一面せん断試験を行って、強度定数c及びφを求めた。浸透実験中、供試体底部からの浸出水の塩分濃度、pH及び浸出水の容積の変化を測定した。塩分濃度及びpHが時間の変化伴に下がったことが分かった。これは、浸透溶液中のNa+と供試体のCa2+がイオン交換した、供試体に形成した水和物(CSH)が溶解したと考えられる。また、実験室の停電などが浸出水の容積に影響したことが分かった。浸透実験後供試体の深度毎における含水比を測定した。供試体の深度毎において、含水比がほぼ均一的に分布することが分かった。また、供試体の0-4cm深度、4-8cm深度、12-16cm深度及び16-20cm深度において、一面せん断実験から、強度定数を求めた。これらの結果から、深度0-4cm及び4-8cmにおいて、強度定数c及びφがあまり変わらなかった。然し、12-16cm及び16-20cmにおいて、強度定数cが表部より急激に上がった。定数φも下がったことが分かった。これは、表部0-12cmまでにおいて、浸透水中のNa+と供試体のCa2+がイオン交換して、水和物(CSH)が溶解したと考えられる。今回の試験結果により、高塩分水浸透環境下供試体の劣化が12cmまで進行したと考えられる。