幾何ソフト内蔵グラフ電卓を用いた、高校数学におけるベクトル分野の教材開発
Project/Area Number |
19911021
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
数学
|
Research Institution | 岡山市立岡山後楽館高等学校 |
Principal Investigator |
河合 伸昭 岡山市立岡山後楽館高等学校, 高校教諭
|
Project Period (FY) |
2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2007: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | ベクトルと幾何ソフト「Cabri Geometry」 / ケプラーの三法則 / ガリレオ・ニュートン・ファインマン |
Research Abstract |
研究のねらい 現在の高校生に対し、数学の学力養成は重要な課題である。ここでは、特に生徒が理解に困難を感じるベクトルについて幾何ソフトを用いた教材の開発を試みた。 研究方法 概念の発達をたどり、自然にベクトルを理解できるようにベクトル・微分的考えが自然的な現象の解明に鮮やかに用いられた歴史的なニュートンの「プリンキピア」、そしてそれを初等的な幾何を用いて解説したファインマンの「Lost Lecture」をもとに、幾何ソフトを活用した教材を作成した。それを、本校の数学倶楽部、市民講座の受講生の方に講義し、内容を改善を図った。 研究の内容・成果 まず、ベクトルの合成・分解、運動の記述の前提である慣性の法則の直感的理解のため、ガリレイの放物運動の研究を出発点とした。ガリレイは、慣性の法則をはっきりとうち立て、速度がベクトルとして合成・分解できるということを示した。これを幾何ソフトで視覚的に示した。ここから、ケプラーの三法則から万有引力め法則・惑星の運行の解明の過程をたどり、ベクトル的考え方・運動の解析における微分的考え方の有用性が実感できるよう構成を考えた。「面積速度一定の法則」は慣性の法則と三角形の等積変形・「運動の第二法則」とベクトルの合成から導ける。ベクトルや力学は高校生にとって理解するのが難しいのであるがこ幾何ソフトを用いることで、理解が容易になったようである。さらに、速度の変化をベクトルの差で表し、「ケプラーの第三法則」から引力が距離の二乗に反比例すること(万有引力の性質)も示すことができ、これもまたベクトル概念・微分的な考え方の正当性の「demonstration」となっており、生徒の理解を強力に後押ししたようである。 最後の、万有引力による惑星の軌道が太陽を焦点とする楕円軌道を描くことは、まだ生徒に授業実践できていないが、日本数学教育学会全国大会では、発表予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)