Project/Area Number |
19923051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医学Ⅰ(薬学)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野中 敏治 Kyushu University, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥760,000 (Direct Cost: ¥760,000)
Fiscal Year 2007: ¥760,000 (Direct Cost: ¥760,000)
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Keywords | 塩酸バンコマイシン / 腎障害 / PK-PDパラメーター |
Research Abstract |
【目的】塩酸バンコマイシン(VCM)投与の際には腎障害の発現を回避し、かつ十分な効果が得られるように薬物血中濃度モニタリング(TDM)の実施が推奨されている。一方、薬物動態学的-薬力学的(PK-PD)パラメーターである血中濃度-時間曲線下面積/最小発育阻止濃度(AUC/MIC)は、VCMの有効性と良好な相関を示すと言われているが、本邦の患者を対象としたVCMのPK-PDパラメーターの検証は未だ十分になされていない。そこで、VCMによる腎障害発症状況を調査し、腎障害発症への危険因子の探索を行うと共に、PK-PDパラメーターを指標として加えた新たなVCM投与設計法を検討した。 【方法】VCMを投与された患者を対象とし、薬物血中濃度測定やMIC調査、PK-PDパラメーター算出やモンテカルロシュミレーション、腎障害発症状況調査を行った。 【成果】過去1年間のTDM結果を解析した結果、5.5%の症例が目標域以下、59.5%の症例が目標域、35.0%の症例が目標域以上であった。MICは68%が1μg/mL以下、32%が1-2μg/mLであった。PK-PDパラメーターを算出した結果、AUCは210.0-1405.0の範囲であり、平均514.6であったほか、AUC/MICもほぼ同様な値であった。また、AUCとトラフ値の関係はY=26.734X+136.57(r=0.899)であり良好な相関を示したことから、AUC/MICが明確でない症例においてはCmin/MICで代用できることが示された。一方、正確な腎機能を評価可能であった症例を対象として調査した結果、危険因子として年齢やトラフ値が示唆され、60歳以上でトラフ値が15μg/mL以上の場合には慎重な投与設計が必要であると考えられた。以上のことから、PK-PDパラメーターを指標とした投与設計は、VCMのより有効かつ安全な使用に有益である。
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