Project/Area Number |
19H00547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 眞子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70581833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 浩貴 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (00599863)
竹本 知行 安田女子大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (00631904)
小松 香織 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10272121)
丸畠 宏太 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (20202335)
斉藤 恵太 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20759196)
柳澤 明 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
長谷部 圭彦 東京大学, 東洋文化研究所, 特任研究員 (60755924)
原田 敬一 佛教大学, 歴史学部, 名誉教授 (70238179)
佐々木 真 駒澤大学, 文学部, 教授 (70265966)
吉澤 誠一郎 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80272615)
鈴木 直志 中央大学, 文学部, 教授 (90301613)
小暮 実徳 順天堂大学, 国際教養学部, 先任准教授 (90537416)
西願 広望 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (00326521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥33,020,000 (Direct Cost: ¥25,400,000、Indirect Cost: ¥7,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2019: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
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Keywords | 学知 / 19世紀 / 軍人 / 書物 / 移動 / 戦争 / 情報 / 外交 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、国民国家が形成される19世紀を中心とし、軍人のグローバルな移動による人的ネットワークと、軍事関連書の翻訳・流通・受容という分析視角から、軍事的学知の交錯を研究するものである。日本・フランス・ドイツを主とし、オランダ・オスマン帝国・清朝を参照系と位置づけ、軍人と軍事関連書(人とモノ)の移動から、軍事的学知(学知)に光を当てることにより、軍事史的観点からみた新たな世界史像を提起したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は公開講演会を4回、科研集会を8回、公開科研集会を1回、代表者会議を1回開催した。本科研の研究成果を、地域振興プロジェクトにかかわって公開科研集会として発表したほか、代表者が西周の特集テレビ番組に出演し、研究成果の一端を一般社会に還元できたのは幸いだった。最終年度の成果発表について、海外ではリール大学(フランス)でシンポジウムを開催し、国内では『軍事史学』特集を企画するので、その準備に入った。 ①早稲田大学高等研究所との共催による公開講演会は、ハイフレックス方式で行った。2021年4月に「藩・旧藩社会にみる「文明」―下総佐倉藩の事例から」、7月に「オスマン帝国の「小戦争」と暴力」、10月に「ペルビチン(覚醒剤)と独日関係―第二次世界大戦期を中心に―」、2021年1月に「日本陸軍のグローバルな戦略・謀略と日独防共協定」の4回である。 ②科研集会はハイフレックス方式で5回、zoom形式で3回、全部で8回実施し、代表者会議は新潟で1回開催した。 ③公開科研集会を2022年8月に、岡山県津山市の津山洋学資料館の支援を得て同館で開催し、あわせて津山市の洋学関連史跡を視察した。これは、2021年度に代表者が行った島根県津和野町での講演と連動した企画で、「蘭学・洋学三津同盟」(幕末・維新期に優れた蘭学者・洋学者を輩出した島根県津和野町・岡山県津山市・大分県中津市による地域振興プロジェクト)にかかわるものである。また、BS松竹東急「号外!日本史スクープ砲 智の巨人 西周」(2022年12月11日(日)21:00~22:00放送)に代表者が出演した。 ④最終年度の2023年度にフランスのリール大学で本科研のシンポジウム「19世紀の軍事的学知」を開催するため、その準備に入った。また『軍事史学』特集号の企画を考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①1年間で4回の公開講演会、8回の科研集会、1回の公開科研集会、1回の代表者会議を開催した。対面中心で一部がオンラインのフレックスと、オンラインのみの開催という2方式を、目的に応じて利用しながら実施できた。コロナ終息後も、コロナ禍で得た通信技術を利用して研究を進めたい。 ②データベース作成については、軍事関連書の翻訳について課題を抱えている。翻訳の段階で原著者や原書の題名を書かないことが多く、さらに重訳されて日本に輸入されることもあるため、原書を特定するのが難しいという問題である。コロナのため海外史料調査が行えず、現物がみられないこともあるが、特に翻訳が抄訳の場合、内容から推測するのも限界がある。著作権という意識がない中、軍事的学知がグローバルに広がっていくことをどのように理解するか、戦争の性格や国制のあり方も射程に入れて考えていきたい。 ③2021年に代表者が津和野町で講演を行った際、視聴者の津和野町長より「蘭学・洋学三津同盟」締結の話を聞いた。偶然にも、同年に研究分担者が津山洋学資料館で史料調査を実施し、この同盟の推進者の一人である津山洋学資料館元館長と交流していたことから、図らずも津山市での公開科研集会が実現した。さらに津和野町での講演をきっかけに、代表者が西周の特集テレビ番組に出演することになるなど、人間関係のつながりから、研究計画になかった一般社会への科研の成果還元ができて有意義だった。 ④最終年度の2023年度にはフランスのリール大学でシンポジウムを開催するため、海外研究協力者とその準備を始めた。また、当初の研究計画にはなかったが、研究分担者からの提案により、『軍事史学』の2024年度第1号に特集「軍事的学知の国際交流」を企画・掲載することが決まり、その準備に入った。
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Strategy for Future Research Activity |
①データベースについては、コロナ禍により海外史料調査が予定より1年遅れたため、作成に支障が生じている。さらに、「8.現在までの進捗状況」③で述べた大きな課題に直面しているため、原書の特定に予想以上の時間がかかると見込まれる。現時点では、各自が作成しているデータベースをドロップボックスで共有するため、作業用共有データファイルを設けている。今後は、軍事関連書の翻訳情報を、言語の違いを越えて共有することから始めたい。 ②早稲田大学高等研究所との共催による公開講演会は、4月に「仙台藩儒大槻磐渓のペリー来航絵巻「金海奇観」に見る西洋の軍事・文明情報」、12月に「(仮)グローバル・ヒストリーとしてのデンマーク戦争・独仏戦争」の2回、開催する予定である。科研集会は5回開催し、そのうち1回は、元陸軍大学校教官だった研究者を招いて報告を聞くことになっている。代表者会議は東京で8月上旬に1回開催する。 ③最終年度の研究成果取りまとめとして、当初の研究実施計画通り、2023年9月5日~7日にフランスのリール大学で本科研のシンポジウム「19世紀の軍事的学知」を実施する。海外研究協力者と相談・協働しながら準備を進める。日本側の報告者、シンポジウム後に行うアンヴァリッド視察などの旅程は、すでに決定している。4月に発表の概要を報告し、7月末~8月初旬に原稿を提出し、日本語はフランス語に、フランス語は日本語に翻訳して、9月のシンポジウムに臨む。また、当初の計画にはなかったが、『軍事史学』の2024年度第1号に、特集「軍事的学知の国際交流」を組むことになり、国外ではシンポジウム、国内では特集号をもって、本科研の研究成果とりまとめとする。あわせて今後の課題を明確にしたい。
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