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乾漆を現代のものづくり技術として革新する研究

Research Project

Project/Area Number 19H00796
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Section一般
Review Section Medium-sized Section 23:Architecture, building engineering, and related fields
Research InstitutionMiyagi University

Principal Investigator

土岐 謙次  宮城大学, 事業構想学群(部), 教授 (20423783)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金田 充弘  東京藝術大学, 美術学部, 准教授 (00466989)
田中 浩也  慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (00372574)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥46,930,000 (Direct Cost: ¥36,100,000、Indirect Cost: ¥10,830,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2019: ¥30,940,000 (Direct Cost: ¥23,800,000、Indirect Cost: ¥7,140,000)
Keywords漆 / プロダクトデザイン / デジタルファブリケーション / 乾漆
Outline of Research at the Start

漆の多様な性質が注目され、全国各地で漆採取・生産が再開されつつある。麻繊維を漆で固める乾漆は複合素材技術のルーツともいえる造形技術であり、天平時代の乾漆仏が現存することなど、その堅牢性と耐久性は折り紙付きである。一方で乾漆そのものが主構造となり自立し、さらに荷重を支えるような家具や建築は作られておらず、優れた堅牢・耐久性と造形任意性を持つにも関わらず、乾漆は現代の構造的造形技術としては理解されていない。本研究では、素材開発とデジタルファブリケーション技術を統合し、持続可能な現代のものづくり技術として、天然素材たる漆による革新的な造形コンセプトを世界に先駆けて提案・実証し、乾漆の用途開発を行う。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、乾漆について1)造形技術、2)素材開発、3)表面技術の3 項目を軸にそれぞれの経過・結果を反映しつつ研究をすすめ、建築・デザイン分野での用途開発を通じて乾漆が持続可能なものづくり技術として現実的であることをあきらかにすることを目的としている。本年度は乾漆を構成する布の素材と、漆に混練して接着力を高める米糊等の副資材との配合について、多様な組み合わせの実験制作を行い、作業性と指触による強度検証を通して、目的に応じた乾漆制作の素材組成の最適化を試みた。また乾漆制作工程のうち、布を積層する際に漆を均一に含浸させる必要があるが、米糊等を混入して接着力を向上させた漆は高粘度で均一に塗布・含浸させることが難しい。そこでシルクスクリーン技術等を参照し均一に塗布・含浸させる方法を試みた。
・伝統的に漆の接着力を向上させるために膠や小麦粉、米などが用いられてきた。膠入りの漆の場合、漆に対する配合比率が30%を超えたあたりから徐々に変化が見られ、漆との分離により均質でなくなり作業性の面で困難をきたした。また硬化にも時間を要し硬化後も接着部分が柔軟性を示したため、ごく小量以外の用途としては不向きであることが分かった。・小麦粉について強力粉と薄力粉それぞれを混入した漆を作り、作業性と硬化までの時間を検討したところ、両面においていずれも薄力粉を使うことが望ましいことが分かった。・シルクスクリーン用の木枠に網戸用の網を貼ったものを作成して漆を均一に塗布する制作実験を行った。作業時間の大幅な短縮や糊漆が均一で反りのない仕上がりなど良い結果が得られたが、作業中に時間の経過とともに糊漆の粘度が高くなり網枠の掃除が困難になること、数回の使用で網のたわみや糊漆の目詰まりにより網の交換が必要となることが分かった。作業の流れと掃除方法などを再検討することにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は乾漆について1)造形技術、2)素材開発、3)表面技術の3 項目について、それぞれ1)型製作技術開発2)乾漆の引張強度向上3)ロボットアーム制御を計画していた。1)については、大型の真空成形機を用いて椅子の背もたれを含む座面程度の造形サイズの塩化ビニール型を制作することで、比較的大型な乾漆造形を作ることに成功した。2)については、乾漆の引張強度は骨材となる布の性能にほとんどを依存することがこれまでの研究から判明している。本項目については実施していないが、例えば炭素繊維等を用いることで解決することが想像される。しかしながら可能な限り天然素材での可能性を検証したい本研究では炭素繊維は相応しくなく、たとえば麻でもより繊維強度の高いものを探すなど今後の検討が必要である。3)については、ロボットアームの機材購入と設置が事務手続き上の理由から当初想定よりも大幅に遅れ年度末となり実質的に作業が進められなかった。一方で、乾漆制作手法について副資材や制作工程の最適化が達成でき、これを特許出願したこと、また当初計画にはなかったが、研究成果啓発として一連の研究成果を4分程度の映像として取りまとめ動画公開サイトで広く発表するなど、研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度はこれまでに得られた乾漆制作の工程や素材組成の知見から、目的に合わせた用途開発をすすめていく。研究映像の公開やこれまでの実績から、すでに各分野から乾漆を利用した様々なプロダクト制作の検討依頼を受けており、実社会で求められているこうした自然素材によるものづくりのニーズに応えるかたちで乾漆の用途開発を進めていく。同時にロボットアーム等を用いた先駆的な乾漆制作手法についても要素技術研究を進めていく。研究計画では国際的なデザイン系展示会での成果発表を見据えて、海外での展示会視察を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開催そのものが不明瞭なこともあり、研究成果の発表の場をあらためて検討していく必要がある。

Report

(2 results)
  • 2019 Comments on the Screening Results   Annual Research Report

Research Products

(1 results)

All 2019

All Patent(Industrial Property Rights)

  • [Patent(Industrial Property Rights)] 漆塗膜を含むシート状体及びその製造方法2019

    • Inventor(s)
      土岐謙次
    • Industrial Property Rights Holder
      宮城大学
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      2019-230700
    • Filing Date
      2019
    • Related Report
      2019 Annual Research Report

URL: 

Published: 2019-04-18   Modified: 2021-01-27  

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