Project/Area Number |
19H01128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 61:Human informatics and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永島 計 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40275194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 義一郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40372510)
中田 大貴 奈良女子大学, 工学系, 准教授 (40571732)
眞野 博彰 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (10571581)
丸井 朱里 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (50824554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥38,090,000 (Direct Cost: ¥29,300,000、Indirect Cost: ¥8,790,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2019: ¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
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Keywords | 濡れ感 / 湿度 / 温熱的快不快感 / 自律性体温調節 / 皮膚交感神経活動 / 温熱感覚 / 蒸れ感 / 上気道 / 皮膚温度 / 気道温度 / 露点温度 / マスク / 熱中症 / fMRI / 交感神経活動 / 発汗 / 体温調節 / 快適環境 / 濡れセンサー / 衣服素材 / ぬれ感 / むれ感 / 温熱的快適感 / 自律神経 |
Outline of Research at the Start |
研究では、行動実験と機能的脳画像法(fMRI)を用いて、①濡れ感に関わる脳部位を同定し、②温冷感と圧覚の2つの異なる感覚から形成されると推察される濡れ感を、脳内情報伝達解析により明らかにする.さらに、③濡れ感により温熱的不快感が生じるメカニズムを明らかにする.④生理学的、電気生理学的手法を用いて、皮膚の濡れによる発汗抑制のメカニズムを明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
1.総括 今年度は新型コロナ感染症の伝搬のため多くの制限が生じた。特に、移動制限のため実験計画に変更の必要性が生じた。当初の計画を一部変更して以下の実験を遂行した。 2-1.蒸れ感覚にかかわる吸気湿度の関与の探索 人は環境の湿度上昇を察知し、蒸れていると表現する。しかし、この機序は明確ではない。吸気湿度および温度をコントロールした大気を吸入し、上気道内の温度と温湿度感覚の変化を測定した。蒸れ感と吸気の露点温度との関係には有意な正の相関が見られ、気道は何らかの形で絶対的湿度を感知していることが示唆された。気道の温度感覚が関与していると予想され、現在、解析を継続している。 2-2.濡れ感にあたえる温度の影響の解析 濡れ感は機械的(触覚)と温度感覚の2つの独立したモダリティーにより形成されると予想されている。実験では濡れ感が物体(濾紙を使用)の含水量と濡れ感の相関を調べ、さらに濡れ感に温度がどのように修飾するのかを目的とした。30℃にコントロールした濾紙を触知させると全体として含水量との相関が見られた。しかし、個体差がおおきく、その機序は不明であった。一方、温度は蒸れ感に明確な影響をあたえ、皮膚表面温度をこえる32℃以上の条件で実験をおこなうと濡れ感は一定のままで影響を認めなかった。一方、低温刺激では濡れ感と温度の間に負の相関が認められた。 2-3.マスク着用による運動時の生理学的および心理学的応答への影響の解析 マスク着用により顔面装着部の局所湿度が上昇することを明らかにしていた。このため、研究の社会実装を目指して、マスク着用による高温高湿度環境下でのマスクの影響を調べた。マスク着用による低強度、中強度運動は、循環および体温調節への影響は認められなかった。しかし、蒸れ感を長時間の着用で惹起した。マスク着用による装着部の湿度環境は熱中症リスクにはならないことを明らかにし、論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画をしていた①濡れ感に関する脳画像解析装置を用いた神経基盤の解析、②発汗にかかわる湿度の影響については予備実験の状態が継続しており、当初の計画から遅れている。この理由としては新型コロナウイルスのパンデミックによる移動制限、実験の制限の影響が大きい。 しかしながら、今年度は3つの実験を遂行し、1つの実験については論文化、2つの実験についても論文作成中である。このため、研究計画通りに進んでいるとは言い難いが、研究の大目標を達成するための実験が停滞しているとは自己判断してはいない。さらに、昨年度に遂行した論文も既に提出段階である。自己評価としてはやや遅れているとしたが、確実に研究は進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
前項で遅れているとした部分①濡れ感に関する脳画像解析装置を用いた神経基盤の解析、②発汗にかかわる湿度の影響について、できるだけ早く進行させたい。もし、現状の新型コロナの問題が継続するようであれば、主たる研究施設である早稲田大学で可能な実験系、とくに脳画像解析装置によるセットアップを行う予定である。
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