Project/Area Number |
19H01366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03070:Museology-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三橋 弘宗 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (50311486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 温子 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (20344385)
橋本 佳明 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任教授 (50254454)
石田 惣 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (50435880)
水島 未記 北海道博物館, 研究部, 学芸主幹 (70270585)
真鍋 徹 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (90359472)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 自然史標本 / 展示 / 博物館学芸員課程 / 生物多様性 / 収蔵保存 / 移動展示 / 保存科学 / 樹脂含浸 / 生態系管理 / 環境教育 / 博物館ネットワーク / デジタル化 / 博物館学芸員過程 / 高精細デジタル化 / 収蔵保存技術 / 博物館学テキスト / 人工知能 / 歴史的建造物 / 文化生物多様性 / 移動博物館 / 資料のデジタルアーカイブ |
Outline of Research at the Start |
自然史系博物館に収蔵されている標本は、「館内展示」と「収蔵」に二極化された活用方法しか想定されないことが多い。常設展示では来館者を増やすような著名で大型で美麗なものを、収蔵庫では保管重視で利用者を限定した学術利用に傾倒している。この状況を革新するため、①利活用が容易な標本保存技術の開発、②標本を利活用した演示プログラムの開発と事例収集、③新たな収蔵保存技術の開発、④歴史的建造物を活用した移動展示技法の確立、について実証実験を行い、収蔵資料の汎用化を推進するための体系構築を行い、実践的な「博物館資料論」のオープンな教科書を作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自然史資料の保存と展示をバランスよく両立するための方法論について研究開発と事例収集、実践を通じて、新しい自然史の博物館学の教科書の作成を進めている。このなかで、今年度は、収蔵庫の設計、標本のデジタル化、ハンズオン標本作成、展示照明技術開発に関して研究開発を進めた。主に、全国の自然史系博物館とのネットワークを通じ、会合の開催や視察等により事例の収集を行った。 収蔵庫環境については、人と自然の博物館において新収蔵庫の設計を社会実験的に捉えて、温湿度環境やアンモニア濃度の測定を通じて、設計上の配慮点の洗い出しの行った。特に。中空二重壁による効果や、遮熱コートの効果を測定した。また、収蔵状態を来館者が閲覧できる環境設計を行い、空調管理、ガラス面の選定、反射処理などの技術開発を行った。 デジタル化技術の開発については、高精細デジタル化および3次元測定の汎用化技術の開発を行い、学芸員向け講習会を通じて技術の課題整理を行った。また、標本画像のデジタル化については、ラベル画像からのAIによる自然言語処理によってデータ読み取りを行ったほか、植物標本からの種の自動同定の技術開発を行い、論文として整備した。 保存技術の分野では、シリコン樹脂を活用したプラスティネーション技術を常温常圧で可能にする樹脂の開発が完了し、いくつかの博物館にて製作を実施した。 これらを複合的に博物館教育のなかに取り組む講座や展示設計、新施設の設計を実践的に行い、これらの成果をもとに、標本取扱いの様々な技術論から地域での移動展、博物館教育までの横断した実践を通じて、教科書として成果を取りまとめを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際的な雑誌に論文掲載したほか、これまでに一般的でない方法論を採用した保存や展示標本の実践が出来ている。特に、人と自然の博物館での実験的な収蔵展示の導入や収蔵庫の整備が完了し、それにまつわる研究技術や測定を得ることが出来ており、これらの成果をもとにした教科書の作成を進めている。市販の書籍としてのとりまとめ、HP上でのテキスト作成を進めている。また、懸案となっていたAI活用に関するアルゴリズムの確立およびアプリケーションの開発も完了しており、全国の博物館にて導入できる状態となっている。単に学術成果の論文発表だけでなく、実際の博物館活動のなかで活かされている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題は、保存部門の技術確立ならび展示技術の実践適用ならびにそれらの統合を進めて、オープン教材を作成することである。保存技術部門では、収蔵庫の設計と運用、燻蒸方法、防カビ薬剤処理、減圧による保存処理の方法などの実践技法を整理する。展示では、照明およびハンズオン標本整備、インクルーシブ対応、コロナ対応技術、デジタル化画像の活用と言った新たな技術を中心として成果を取りまとめる。最終年では、成果をオープンテキストとしてとりまとめ、標本の重要性を伝えるための展示や教育、教材づくりを各館と連携し、さらに全国の博物館とのネットワークを通じて講習やシンポジウムを開催して進める。
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