Project/Area Number |
19H01633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Den-en Chofu University |
Principal Investigator |
生田 久美子 田園調布学園大学, 大学院人間学研究科, 教授 (80212744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉國 陽一 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 准教授 (00839219)
尾崎 博美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (10528590)
畠山 大 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10616303)
岩田 康之 東京学芸大学, 次世代教育研究センター, 教授 (40334461)
八木 美保子 東邦大学, 理学部, 講師 (50460035)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 教員養成 / 教育学 / 教師の専門性 / 国際比較 / 省察的実践家 / わざ / Negative Capability / 専門性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「教える」専門家としての教員養成の根幹が問われる中で、学問としての「教育学」が果たすべき役割を明らかにすることを目的とする。具体的には、以下の2点の解明を目指す。 ①「教える」専門家がもつ「高度な専門性」の特徴を明らかにする。 ②「教育学」と「教える」専門家の養成との間の歴史的・制度的な関係性を明らかにし、「教育学」に基づく「教える」専門家養成システムの在り方を提示する。 以上の2つの目的の達成を、教育哲学・教育思想、教育史、教育制度・教育行政、教育実践の4つの専門領域から検討することを通して、「教える」専門家の養成を学問として構築する「教育学」のあり方(モデル)の提示を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、本科研の3年目にあたり、フィールド調査、実地調査を行って「教える」専門家」がもつ専門性について精査する期間を予定していた。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、国内・国外での対面でのフィールド調査は制限せざるを得なかったが、その一方でオンラインでの調査及び文献等を通しての調査を進めることができた。 インタビュー調査では、2021年8月に、教員養成課程を卒業した初任者、着任後3年目の教員在職者を対象に、大学在学時代の教員養成課程での学びについてインタビュー調査の事前聞き取りを行った。並行して、日本の教員養成・教師教育の歴史に関する文献、教員養成・教師教育に携わる教師に関わる文献調査を行った。 理論分析としては、第一に、ジェーン・ローランド・マーティン、ジョン・デューイ等を対象として、進歩主義教育学校における教師-生徒関係を構築するために必要となる教師の専門性について分析を進めた。また、村井実の「教育学」論と活動理論に基づく「教育学」研究の比較分析を行い、両者の共通点と相違点の析出を図った。 成果として、マーティン氏の著書School Was Our Lifeを翻訳し、2021年9月に『学校は私たちの「よい生活(グッド・ライフ)」だった―アメリカ教育史の忘れもの』として刊行した。また、課題に関連する学会発表、論文刊行を行い、特に教師の専門性として、対面や接触に関する「ふれる」の考察を行い、「「ふれる」から「知る」を問い直す : Knowing by touchingからKnowing by sensingへ」として発表した(『教育哲学研究』vol.124)。 国際比較としては、イタリアのボローニャ大学の研究者との研究を進めており、両国及び現在の国際社会における教員養成の現状、動向、課題等をテーマとした合同研究学術書の刊行計画を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研の当初計画では、2021年度はフィールド調査・インタビュー調査の期間として位置づけており、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて制限はあったものの、一定の調査を実施することができた。また同調査に必須となる理論的フレームワークについては、2019年度からこれまでに実施したフィールド調査・インタビュー調査の記録・結果の分析を行い、当該科研テーマの成果構築へ進展を見ることができた。 国際比較としては、イタリア、アメリカ、イギリス、台湾、中国等を対象として、教員養成課程及びそのベースとなる「教育学」の位置づけについて分析を進めている。また、その一つの成果を、翻訳書として刊行することができた。刊行にあたっては、著者のマーティン氏へのインタビューも行い、当該科研テーマに関する知見を蓄積することができた。科研メンバー内でそれぞれの研究成果を共有し、協働分析を深めるための研究会を実施することで、当該科研テーマに関する多角的な分析も進んでいる。 イタリア、ボローニャ大学とは研究上のやり取りを継続し、各国の教員養成、教育学の課題についての調査・資料収集・理論分析を進めている。これらの成果は、合同の学術書籍としての計画が具体化し、現在原稿執筆及び出版準備が進められている。 以上の通り、本科研は分析調査、インタビュー調査を経て、成果をまとめる準備段階に入っており、そのための研究活動はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、本科研の最終年度に当たり、前年度までの研究成果をふまえて「教える」専門家の養成に必要となる基本的概念、制度、及び実践について検討し、研究の総括を行う。特に、① 【task-achievement モデル】に基づく「教える」専門家として獲得する必要がある知識・スキル・資質等の提示、② ①に基づいた「教える」専門家の養成システム・プロセスとしての制度構築を目指す。 また、新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえながら、国外でのフィールド調査・インタビュー調査の実施を予定する。調査対象は、前年度に引き続き、イギリスのサマーヒル・スクール、市川市立大須中学校夜間学級、東京シューレ、東京シューレ葛飾中学校、東京シューレ江戸川小学校、東京サドベリースクール(他、国内のサドベリースクール)、その他のマイクロスクールなどを予定する。また、継続して教育学と教員養成に関わるインタビュー調査(オン ライン会議ツール使用、香港教育大学ほか)の実施を進める。 さらに、研究成果報告として、日本・イタリアの合同で学術書籍の刊行を予定している。同書においては、日本・イタリア・中国・イギリス等の教員養成課程を対象として、その特徴及び課題、また土台となる基礎理論についての分析結果を収録する。これらの成果は、国内外の学会で発表予定であり、看護学教育学会(2022年8月)での発表を予定している。 以上を通して、「教える」専門家の養成を学問として構築する「教育学」のあり方(モデル)のあり方(モデル)を提示し、本科研全体の成果とすることを目指す。
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