Project/Area Number |
19H04355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川野 徳幸 広島大学, 平和センター, 教授 (30304463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 今日子 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00634932)
vanderDoes Luli (VanderDoes Luli) 広島大学, 平和センター, 准教授 (00839087)
原田 浩徳 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10314775)
竹峰 誠一郎 明星大学, 人文学部, 教授 (40523725)
星 正治 広島大学, 平和センター, 名誉教授 (50099090)
和泉 志津恵 (大久保志津恵) 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (70344413)
井上 顕 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (40469036)
橋岡 禎征 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00622523)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2019: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 核被害 / 広島・長崎 / セメイ / チョルノービリ / マーシャル / セミパラチンスク / チェルノブイリ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、世界の核被害を地域間で比較検討する。具体的に対象とする地域または核被害は、①カザフスタン共和国セミパラチンスク地区、②ウクライナ・チェルノブイリ、③マーシャル諸島、④広島・長崎の原爆被害、である。被害の実態については、「いのち(健康面)」、「くらし(社会経済面)」、「こころ(精神面)」の各視点でそれぞれ考察し、その上で比較検討する。同時に、被災者への補償内容についても比較検討する。これに関しては、日本における「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」を軸に、補償の各項目に関する比較検討を行う。 以上により、それぞれの核被害の特徴、地域間での異同、そしてその特徴を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界の各核被害(原爆被爆被害、セメイ、チョルノービリ、マーシャル諸島など)の実態研究及び各地域間での比較検討、そして各被害地における被災者への補償内容について比較検討することを目的とする。しかし、当該年度も2020年度に続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、海外調査の実施が困難であった。そのため、これまで本研究で収集したデータの解析・考察及び遠隔で実施したセメイ医科大学での動物実験などを中心に研究を進めた。具体的には、①新聞社・被団協データを用いた被爆者の思い、原爆被害を基盤とする「ヒロシマ」の思想、新たに開始した学生平和意識調査研究、②セメイにおける核実験被害援護の考察、③マーシャル及びその他の放射線被害地における援護との比較検討、④セメイ医科大での動物実験による放射線による内部被ばくに関する研究、⑤放射線ヒバクシャに高頻度に発症する骨髄異形成症候群(MDS)の研究、⑥セメイとコロナ禍で顕在化した「社会的弱者」の精神的影響、⑦新聞社実施の被爆者アンケート回答のデータベース構築である。 ①に関しては、川野が被爆者の思い、川野・ファンデルドゥースが核兵器をめぐる学生平和意識の特徴を考察した。②に関しては、平林がカザフスタンの援護措置の特徴について学会で発表した。③については、竹峰を中心に、マーシャル諸島の核被害及び補償措置の内容を著書にまとめた。④に関しては星を中心に、⑤に関しては原田を中心に、⑥に関しては井上と橋岡がそれぞれ多くの論考を発表した。また、和泉は①に資する統計手法の開発を行った。 一連の研究の中で、英文に関しては、放射線及び血液学に関する著名な国際雑誌に発表した。和文については、学会誌、紀要等に発表した。コロナ禍で制約のある中、研究代表者及び分担者は本研究における役割分担を十分に果たし、本研究の深化に寄与した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実施計画は、①セメイ地区でのアンケート調査・証言収集調査の継続、同時にこれまで回収のアンケート結果の解析、さらに、被災者の精神的影響に関する考察である。コロナ禍の影響も相まって、精神的影響も増しているからである。②チェルノブイリ原発事故被災者への聞き取り調査。③マーシャル諸島住民への聞き取り調査。④被爆者の思いに関する検討。⑤コロナ禍の影響を受けた被爆者・被災者の「こころ」の諸問題に関する検討。⑥各地域の被災者への補償内容についての検討。 既述の通り、コロナ禍の影響を受け、海外調査は実施できなかったが、その分、従来収集してきたデータ、あるいは遠隔で可能なセメイ医科大学での動物実験を行い、想定していた以上の研究成果を出すことができた。朝日・読売・日本被団協のデータを用いた被爆者の意識研究、新たに開始した学生平和意識調査、セメイにおける核実験被害者援護措置に関する考察、動物実験を用いた内部被ばくの研究、MDSの発生機序に関する研究等、それぞれ活発に研究活動を行った。 当該年度より開始したコロナ禍の影響を受けた「社会的弱者」の心的影響に関しても軌道に乗り始め、成果が出始めた。2022年度にはさらに多くの論文が出る予定である。これに関しては、想定外のものとは言え、大きな社会的意義ある研究ができたと自負するところである。 海外調査が可能になれば、これまで遅れていたデータ収集を再開する予定である。データ収集という意味では、本研究は当初の予定より遅れているが、その分、従来収集のデータを用いた多くの研究成果を世に問うた。さらには、既述の通り、コロナ禍における「社会的弱者」まで研究対象のすそ野を広げ、成果を挙げた。 業績に示すように、研究代表者・分担者はそれぞれの役割を十分果たしている。以上により、本研究はおおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の当初の研究計画は既述の通りであるが、新型コロナ感染症拡大も収束を見せ、海外調査も可能となるであろう。予定しているカザフスタン・セミパラチンスク(セメイ)での調査を継続し、従来回収したアンケートの解析も継続する。但し、また、ウクライナ(チョルノービリ・キーウ)での現地調査は、今般のロシアのウクライナへの軍事侵攻を受けて極めて困難な状況である。これに関しては、先が見通せない状況である。ウクライナ調査が不可能な場合は、新たに開始した学生平和意識調査、被爆者・被災者、コロナ禍で顕在化した「社会的弱者」の方々の精神的影響に関する調査研究に時間を割きたいと考えている。 本研究代表者の専門は、原爆被ばく研究及び平和学である。「平和」とは、究極的には、「弱者」、「社会的弱者」のいない社会であるという信念のもと研究を続けてきた。ここでの「弱者」・「社会的弱者」とは、自身の専門の立場からすれば、原爆被爆者、チョルノービリ原発事故被災者、セミパラチンスク地区住民、フクシマ住民などであった。こういった人たちに思いを馳せることができる、こういった人たちを優先的に考えられる社会が「平和」なる社会、「平和」な状況だと確信している。そういった観点に立ち、今後は、今般のコロナ禍であらためて顕在化した「社会的弱者」に関する研究も軌道に乗せ、本格的に研究を進めて行きたい。旭川医科大学精神科教室及び高知大学保健管理センターの教授にも分担者として参画いただいている。さらに調査研究を加速し、多くの成果を出したいと考えている。 当然、当初掲げた本研究の実施計画は予定通り遂行する予定であり、セメイでの現地調査は活発に行い、その成果を発表する予定である。
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