Project/Area Number |
19H05636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section E
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
宮坂 力 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 特任教授 【東京大学先端科学技術研究センター・フェロー】 (00350687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 高志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60205557)
早瀬 修二 電気通信大学, i-パワードエネルギー・システム研究センター, 特任教授 (80336099)
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Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥197,470,000 (Direct Cost: ¥151,900,000、Indirect Cost: ¥45,570,000)
Fiscal Year 2023: ¥32,630,000 (Direct Cost: ¥25,100,000、Indirect Cost: ¥7,530,000)
Fiscal Year 2022: ¥34,320,000 (Direct Cost: ¥26,400,000、Indirect Cost: ¥7,920,000)
Fiscal Year 2021: ¥34,060,000 (Direct Cost: ¥26,200,000、Indirect Cost: ¥7,860,000)
Fiscal Year 2020: ¥36,790,000 (Direct Cost: ¥28,300,000、Indirect Cost: ¥8,490,000)
Fiscal Year 2019: ¥59,670,000 (Direct Cost: ¥45,900,000、Indirect Cost: ¥13,770,000)
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Keywords | 光電変換 / ペロブスカイト太陽電池 / 無鉛組成 / ペロブスカイト / 無鉛 / ビスマス / 光物性 / 真空蒸着 / 太陽電池 / 変換効率 / 鉛フリー |
Outline of Research at the Start |
鉛を含有しない安価で耐久性に優れる環境適応型のハロゲン化ペロブスカイト材料を創製し、これを用いる光電変換素子のエネルギー変換効率を鉛型のレベルまで高めるための材料組成と製膜技術を構築し、無鉛型ペロブスカイトを用いる光電変換素子を高性能化して実用化を促すことを目的とする。ビスマス、スズ、チタン、銀などの金属カチオンで構成されるペロブスカイト結晶の薄膜を高品質で製膜する方法を溶液法と真空蒸着法の両面から検討し、光物性の計測等をもとに光発電における電荷再結合損失を抑制する組成改良と製膜方法の技術基盤を構築し、光電変換素子の高効率化につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
環境に無害な無鉛組成のペロブスカイト並びにペロブスカイト類似材料の三次元結晶を溶液晶析法と気相法(真空蒸着法)の2つの方法で成膜し、光物性と光電変換特性を調べる研究を進めた。 溶液成膜法においては、Ag2BiI5多結晶膜を用いるセルの光電変換特性を改善して、出力電圧を約1V(Ag-Bi系としてはこれまで報告される最高値)まで高めることができた(論文出版)。素子作製においては、光学的に透明な厚み100nm程度の薄い発電層を使っても変換効率を屋内照明下で5%以上に高めることができ、このAg2BiI5素子については屋内用光発電へ応用する可能性が見えてきた。またイオウを組成に含む低バンドギャップ(約1.2eV)を特徴とするAgBiS2の薄膜も合成してセルを試作し光電変換特性を評価したが、出力電圧が0.5V以下と低くセル構造と作製条件の再検討を進めている。 真空蒸着法においては、中心金属にスズ(Sn)2価を含むCsSnBr3を成膜した。素子作製ではPEDOT:PSSをホール輸送層、PCBMを電子輸送層に用いた逆構造セルを作製してその性能評価をおこなった。光電特性はまだ低いが、XPSによって表面のSnの酸化状態を調べた結果、ZnをドープしたCsZnxSnBr3の薄膜ではSn(II) の酸化が相当程度抑えられる効果がわかった。 以上の研究を進める中で、実用化開発に向けて、本研究の無鉛ペロブスカイト太陽電池を産業化につなげたいと希望するメーカーとしてシチズン時計株式会社が研究協力に加わった。これまでの薄膜シリコン光発電素子を、上記のAg-Bi系材料に置き換えたソーラーウォッチを開発することを目標に、コストを含めた生産技術の検討に入った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のねらいである光電変換に有利な等方性の三次元結晶でかつ耐熱性に優れる全無機組成のペロブスカイトとして、Ag-Bi系、Sn系、S含有材料など、当初予定していた各種の無鉛組成の材料の溶液法による合成と光電変換特性の評価をこなすことができた。これらの発電材料をすべて溶液法で成膜する方法を検討するなかで、光発電の電圧出力を高めることのできる素子構成として、ITO/SnO2/SnOx/Ag2BiI5/dopant-free polymer/Au を見出した。一方、真空蒸着を使った成膜では、これまでの二元系蒸着から発展して、3種の原料による三元系の多結晶膜の成膜に着手し、スズ(Sn)を用いるCsSnBr3とこれにZnをドープする新しい材料の評価を進めた。また、企業サイドからは無鉛ペロブスカイト材料を用いる本研究成果を産業実装につなげたいメーカーも研究協力に加わり、メーカー側の素子作りにも良い再現性が取れている状況である。学会発表並びに論文出版も活発であった。
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Strategy for Future Research Activity |
溶液法においてはAg-Bi系ペロブスカイトのAサイトカチオンにCuやCsをドープする効果を検討する。真空蒸着製膜ではZn添加型のCsZnxSnBr3多結晶の高品質化を検討するとともに、CsZnxSnBr3を用いるセルの作製・評価をおこなう。Ag-Bi系ペロブスカイトについては可視光を高い効率で利用できる特長から、屋内照明を用いる高性能光発電素子にターゲットを絞ってデバイスの高効率化と高電圧出力化を図るための研究を進める。小型機器を動かす電源として、本研究で生まれる無鉛ペロブスカイトを用いる実用モジュールを軽量フレキシブルなプラスチック電極基板を使って試作し、本研究成果が屋内IoT機器用の電源として有用であることを示す。
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Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A-: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress in research has been made on the whole though a part of it has been delayed.
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