災害と厄災の教育における経験と保護の諸相――アンカースミットの経験論に着目して
Project/Area Number |
19J00184
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 舜志 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 記憶 / 教育 / トラウマ / 経験 / メディア |
Outline of Research at the Start |
本研究は戦争や地震、公害など「災害」や「厄災」と呼ばれる出来事の教育を理論および実践の両側面から検討する。 理論面においては、これまでの教育学の蓄積やトラウマ研究、メモリー・スタディーズの知見などを参照しつつ、戦争などのトラウマ的な過去の出来事を子どもたちにどのように伝えるのか検討する。 実践面においては、実際に行われている記憶継承の営みに参与し観察することによって、災害や厄災の教育がどのように行われてきたのか、そしてこれからどのように行われるべきなのか、さらには記憶継承に携わる者にはどのような知識やスキルが必要とされるのか、明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
まず、記憶と教育に関する研究にあたって、東京大学の山名淳教授が主催するメモリー・ペダゴジー研究会に参加した。この研究会に参加する中で、自分自身が「記憶と教育」というテーマにおいてどのようなアプローチを採用し、どのようにして自らの独自性を示すことができるのか、考察を深めることができた。 今年度は学会が軒並みオンラインになる中、茨城キリスト教大学の安喰勇平講師が教育思想史学会大会で企画したコロキウム「語り示しの実践としての教育哲学の可能性」に発表者として参加した。このコロキウムへの参加を通して、教育という事象について哲学することの意義と可能性をあらためて検討することができた。立命館大学の鳶野克己教授退官記念論集への寄稿も、上記の教育と哲学の関係についてあらためて考える機会となった。 またコロナ禍の中でフィールドワークが難しい状況ではあったが、感染対策を万全なものにし、11月には水俣で相思社の方に街案内を依頼した。水俣病をめぐる歴史について、事件が起こった場所を実際にめぐりながら知ることによって、水俣の「外」からは知ることのできない情報や、実際に現地にいくことの意義について知ることができた。また相思社の方々は水俣病をめぐる事件の継承活動を行っていらっしゃるが、患者(体験者)ではない人間が、いかにその体験を後世へと伝えていくのか、実際に活動に携わっていらっしゃる方々と話すことで、考察を深めることができた。このように相思社はまち案内やガイドと同時に、市や県のものとは異なる水俣病についての展示を行っている(水俣病歴史考証館)。県立の資料館と考証館の両者を比較することは、物を展示することによる災害と厄災の継承について考察を深める機会となった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)