Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,報酬や報酬の履歴が視覚的注意に及ぼす影響を明らかにすることである。令和二年度の主な研究成果として,第一に位置と報酬の連合による注意捕捉の生起には連合に関する意識的な気づきが必要であること,第二に刺激と報酬の連合は先見効果(preview benefit)をモデュレートしないことを示した。 前者の研究では,視覚探索課題において標的の位置が報酬を予測する場合,高報酬と連合された位置に対して注意が優先されることを示した。この注意の優先は参加者の眼球運動が制限された状況においても観察された。しかし,注意の優先は実験後に位置と報酬の連合を報告できた参加者のみで示され,連合に関する気づきが注意捕捉の生起において重要な要因であることを明らかにした。以上の結果は,Attention, Perception, & Psychophysics 誌に採録決定済みである。 後者の研究では,報酬が動的な注意の配置に及ぼす影響を検討した。先行研究では視覚探索課題に先行していくつかの妨害刺激が呈示された場合,その後の探索効率が向上することが報告されている(preview benefit)。本研究では,課題中に呈示される刺激の色と反応後に与えられる報酬の有無を連合することで,報酬がpreview benefitに及ぼす影響を検討した。実験の結果,先行研究で報告されたpreview benefitは再現された一方,刺激と報酬の連合がpreview benefitに及ぼす影響の証拠は確認されなかった。以上の研究成果はVisual Cognition 誌に掲載済みである。 また,進行中の研究結果から,報酬連合刺激や情動刺激と統計的規則性が注意に及ぼす影響,そして,報酬学習の転移による注意捕捉は観察されないあるいは効果が弱いことが明らかとなってきている。
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