分子ネットワークを用いたリザーバコンピューティングの創製
Project/Area Number |
19J11003
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇佐美 雄生 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 導電性高分子 / 金微粒子 / 情報処理 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、分子ネットワークを用いたリザーバコンピューティングを構築し、物質ネットワークに立脚した情報制御の可能性を示すことを目的とする。リザーバコンピューティングは、入出力と計算資源であるリザーバ層から成り、出力との接続部分の結合の強度のみを読み取ることで情報処理及び学習を行う演算システムの一つである。リザーバコンピューティングの肝であるリザーバ層を物質系である金微粒子-導電性高分子ネットワークで担い、入出力をソフトウェアで制御することで、情報処理機能を発現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分子ネットワークを用いたリザーバコンピューティングの創製と題し、導電性高分子の一種であるポリアニリンと金微粒子を混合し、自己組織化させることで、情報処理手法の一つであるリザーバコンピューティングを構築し、物質ネットワークに立脚した情報制御を目的として研究を進めた。 注意深く研究を進めた結果、金微粒子を用いた導電性高分子の構造の乱れをネットワーク内に導入することにより、ナノスケールの局所的な電子状態が変調することを明らかにした。この構造の乱れにより、導電性高分子の電荷移動担体であるポーラロンの電子状態が変化することを、顕微ラマンスペクトル及びX線光電子分光の計測結果から明らかにした。さらに、このネットワークに多端子電極を接続することにより、電極間にネットワーク移動経路に依存した電子物性及び遅延時間応答性を得られた。これらの結果から、本研究で検討したポリアニリンー金微粒子ネットワークデバイスが脳神経回路型情報処理であるリザーバコンピューティングに必要な非線形性、メモリ特性、高次元性といった要素機能を発現することを実証した。 本研究により、ナノスケールの構造変調をネットワーク内に導入することによって、電子的な物性制御のみならず、情報処理機能への展開の端緒を示すことができた。このことは、現在実装されている情報処理システムであるノイマン型アーキテクチャでは解決できない問題を、材料を計算資源として脳機能に学んだ新たな方向性の情報処理によって解決させられることにつながるため、重要かつ意義深い成果である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)