Project/Area Number |
19J12422
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 慧 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 複合動名詞 / 複合動詞 / 意味シフト / 他動性調和原則 / 主辞の移動 / 意味の合成 / 意味構造 / 形態構造 / 項の同定 / イベントの主辞性 / 様態・結果相補仮説 |
Outline of Research at the Start |
2つ以上の語が意味的には1つのまとまりを形成する現象は複合(compounding)と呼ばれる。本研究は、語が複合するメカニズムの解明を目指し、とりわけ日本語において動詞からなる複合語の意味形成を研究するものである。人間が、現実世界で起こっていること、あるいは、頭の中で思い描く事柄を言語化する際、単語や句の選択・統合・分離・結合など多様なプロセスを経る。本研究は語形成のメカニズムに、規則性と言語使用の間に相互作用があるのかを加味する点で、従来の研究と異なっている。形態論、意味論、言語使用のインターフェースでの意味形成メカニズムを明らかにした上で、語形成に関与するより一般的な理論を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、複合動名詞の意味形成の研究を通して、動詞の複合一般を可能にする普遍的なメカニズムを明らかにすることである。本年度に実施した研究は、(1)複合動詞と複合動名詞が表す事象の違いの記述と理論的考察、(2)複合動詞と複合動名詞の意味の合成に課される制約の一般化の再検討、(3)(2)で特定した意味合成における制約が(1)で記述した両表現の違いを正しく予測できるかの検証。 (1)に関して、(a)複合動詞と複合動名詞が表す事象の違い、(b) 他動性調和原則と複合動名詞との関係、(c) 意味の主要部が決まらない並列関係型の複合動名詞を扱った。(1a)について、「もう少しで」のような副詞が取るスコープ、「ようやく」のような結果副詞との共起における事象の違いが観察された。このような意味解釈の違いをイベント主辞の移動の観点から説明することを試みた。(1b)について、複合動名詞は、V1とV2が外項の有無に齟齬があってはならないという項の同定の原則を厳しく守っていないことが分かった。項の同定の制約における違いが、動詞形の有無と一定の連動関係にあることが明らかとなった。(1c)について、完結性と選択素性の受け継ぎの観点から、意味シフト(meaning shift)というプロセスを提案し、複合動名詞が複合動詞にならないのは意味シフトによると結論づけられた。(2)に関して、複合動詞と複合動名詞に現れる意味の合成のタイプをA)補充とB)付加の2種類に整理し直した。A)タイプは複合動詞にのみ存在し、複合動名詞には現れない、B)タイプは、複合動詞においては、結果の付加が可能であるが様態の付加がされがたく、複合動名詞においては、様態の付加は可能であるが結果の付加はされがたい、という制約の一般化が得られた。(3)に関して、(2)の考察から(1)で得られた結果を正しく予測できるということが分かった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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