Project/Area Number |
19J13520
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 卓人 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ネクローシス / アポトーシス / パータナトス / 酸化ストレス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、細胞が酸化ストレスという刺激を受けた際の細胞死について解析している。酸化ストレスとは細胞内の抗酸化作用と活性酸素種のバランスが、活性酸素種よりに崩れた状況を指しており、その状況に細胞が置かれると細胞死という細胞が死ぬ現象が誘導されることが知られている。酸化ストレスによる細胞死は様々な疾患との関わりが指摘されており、その分子メカニズムの解明はそれらの治療戦略の策定の基礎となりうると考えられる。本研究では特に細胞死の形態、すなわち細胞膜の破綻を伴わないアポトーシスと呼ばれる細胞死か、細胞膜の破綻を伴うネクローシスという細胞死かについて重点的に解析している。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞がストレスを受けた際に誘導される細胞死には大きく分けてアポトーシスとネクローシスがある。これまでに培養細胞であるHeLa細胞に過酸化水素を用いて酸化ストレスを与えると、その刺激強度によって異なる細胞死が誘導されることが報告されている。弱い酸化ストレスを負荷するとアポトーシスが誘導されるのに対し強い酸化ストレスではネクローシスが誘導される。更なる解析の結果、2019年度までに酸化ストレス強度に依存した細胞死の形態変化に関して細胞内のNAD+濃度がNAMPTを介したNAD+サルベージ経路によって回復するか否かが細胞死の形態を決定するのに重要な因子であることを見出していた。 2020年度はなぜ酸化ストレスの強度によって細胞内NAD+濃度のダイナミクスが異なるのかに関してより詳細な解析を行った。まずNAD+消費酵素であるPARP1の活性について検証を行なったが、低濃度H2O2刺激と高濃度H2O2刺激とで違いは見られなかった。続いてNAD+の再合成に必要であることを見出していたNAMPTの活性に関しても検証を行なった。しかしながら、酸化ストレスを加えた細胞から単離、精製したNAMPTの酵素活性に違いは見られなかった。一方で細胞内のNAD+量をNAMPT非依存的に上昇させるNRの処置によって、高濃度H2O2刺激においても細胞内NAD+量の上昇が見られたことから、高濃度H2O2刺激下ではNAMPTに依存した反応が抑制されていることが示唆された。 このように同じ酸化ストレスでも細胞死の形態が変化するメカニズムを解明することは、分子メカニズムに基づいて細胞死の形態を人為的に操作するといった応用に繋がると考えられる。アポトーシスとネクローシスでは主に炎症性という観点から生体に与える影響が大きく異なっているので、細胞死の形態を制御することで炎症の制御を行い関連する疾患の治療に役立てるといった応用も考えられる。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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