Project/Area Number |
19J14000
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福間 早紀 岡山大学, 環境生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ベシクル / ソフト界面 / 膜工学 / タンパク質吸着 / リン脂質 / ポリマー被覆 / 界面活性剤 / 揺らぎ |
Outline of Research at the Start |
医薬品やバイオセンサに用いられる材料として、柔らかいソフト界面に注目が集まっている。その中でも細胞のモデルに用いられるベシクル(脂質二分子膜から成る小胞)では、その動的構造によるベシクル膜へのタンパク質吸着量の増大を事前実験で示してきた。しかしベシクル膜はタンパク質吸着に伴う変形により崩壊してしまう問題点があった。そこで本研究では、ベシクル膜の組成変化やポリマー重合により、崩壊耐性を持つベシクルを設計することを目的とした。ベシクル膜の動的特性をどのように制御できるのかを解明できれば、疾病原因タンパク質を感知するセンサ材料の高感度化や、課題であった耐久性の向上が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ベシクルの動的界面が持つ「揺らぎ」を用いた、検出困難な微小量のタンパク質の高感度/選択的検出材料の開発を目的とした。ベシクルとは脂質膜二重層から成る閉鎖系小胞である。今年度、報告者は以下の2項目を検討した。 1.膜上/内部での高分子重合によるベシクルへの膜揺らぎ崩壊耐性の付与:ベシクル膜の崩壊耐性の付与手法を①ポリマーによる表面被覆、②膜内部での重合、③膜内水相側からの裏打ち、の観点から検討した。手法①ではポリビニルピロリドン(5wt %)により表面被覆したベシクル膜を用いた。この場合、膜へのタンパク質吸着阻害を起こさず、崩壊耐性を付与できる可能性がみられた。被覆時にベシクルの変形および内封物質の漏出が見られたため、被覆の時期に関する課題が残った。手法②においては、光重合性脂質(23:2 Diyne PC)を混合したベシクルを用いた。その結果、崩壊耐性の付与が困難である事が示唆された。以上の結果より、手法③が今後に期待できる選択肢であると推測される。 2.膜揺らぎ崩壊耐性を有したベシクルによるタンパク質吸着特性の評価:ベシクル膜へのタンパク質の吸着機構を複数の手法により検討した。水晶振動子を用いてタンパク質の吸着等温線を検討した結果、膜揺らぎが大きい膜ほど、溶液本体に対して膜内部の疎水部が露出し、結果としてタンパク質吸着量が多くなったと解釈できた。また誘電分散解析による水素結合強度の評価から、膜表面や内部にcreviceやpotholeが生成することが分かった。そして、相互作用が弱い膜ほど、タンパク質の吸着量が多くなることが示唆された。更に、蛍光物質漏出実験からも同様の傾向が見られた。以上の結果から、脂質膜表面や内部に生成したCreviceやpotholeがタンパク質吸着の場に利用されることが示唆された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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