Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Outline of Research at the Start |
可縮アフィン多様体とはアフィン空間と同じ位相的性質を持つ多様体であり, 実際3次元以上の可縮アフィン多様体はアフィン空間と微分同相であることが知られている. 既知の結果として, 3次元アフィン多様体のPicard数1の射影多様体へのコンパクト化は分類がなされており, 特にその射影多様体はFano多様体になる. 本研究ではこの結果を一般化するため, 3次元可縮アフィン多様体のPicard数2の森ファイバー空間へのコンパクト化の分類を試みる. ここで森ファイバー空間とはPicard数1のFano多様体の, Picard数が一般の場合の類似といえる射影多様体である.
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は可縮アフィン多様体のコンパクト化や, より広くアフィンホモロジー3-胞体のコンパクト化の分類問題に取り組んだ. 古島氏によってPicard数が1である有理的コンパクト化を持つアフィンホモロジー3-胞体は3次元アフィン空間であることが知られている. しかし, 岸本氏や私によって, Picard数が2である場合は, 古島氏の特徴づけが成り立たないことが分かっている. 以上を背景として, 3年前に私は, コンパクト化が3次元射影空間の曲線に沿った爆発であり, かつ対数的標準因子が自明の場合に, 3次元可縮アフイン多様体のコンパクト化を分類した. 当該年度は, この時の証明を精査することで, ホモロジー3-胞体の場合も同様の結果が得られることを確かめて, 論文としてまとめ, 掲載された. 特に, この場合のホモロジー3-胞体の双正則同型類は丁度2つであることが分かった. また, 3次元可縮アフィン多様体をコンパクト化する際に境界因子としてしばしば現れるDu Val del Pezzo曲面を題材にして, 正標数での病的な現象について研究した. 正標数の場合, Du Val del Pezzo曲面は標数0上では実現不可能な特異点の包含や, 非特異な有効反標準因子の非存在, そして豊富なWeil因子に対する小平消滅定理の不成立が起こりうる. そこで当該年度は, 東京大学の河上氏とともに, これらの性質と対数的リフト不可能性との関係性に着目して研究した. 結果として, Du Val del Pezzo曲面に対して上記の4性質の因果関係を特定し, 各性質を満たすDu Val del Pezzo曲面を分類した. 更に, この分類とYe氏の手法を組み合わせることで, 正標数でのPicard数1のDu Val del Pezzo曲面の分類を完成させた. 以上の結果はarXivに投稿した.
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