Project/Area Number |
19J14489
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐野 和子 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2019: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 教育システム / 職業資格 / スキル形成 / 女性 / 資本主義の多様性論 / 福祉レジーム論 / 教育歴 / VET |
Outline of Research at the Start |
人生100年時代をむかえつつある今、人々が生涯どのように職業的技能を高めていくかを考察することがますます重要になっている。とりわけ現在、女性の就業継続が政策的にも推進されており、女性の職業的キャリアの中で、どのような職業的技能を、いつ、どこで取得しているのかを調べることは大変意義深いと考えられる。 海外の先行研究によると、日本では学校卒業後、企業による職業訓練によって労働者の技能が形成される割合が高いとされているが、果たしてこの傾向は女性にどの程度当てはまるのか。本研究は、女性の技能形成の傾向を、日本に特徴的な教育システムや雇用慣行と関連付けて計量的に明らかにするものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度にあたる本年度は以下の3つの課題に取り組んだ。 1.日本の教育システムの特徴を、国際比較の観点から再検討した。本研究が理論的に依拠する、<スキル形成理論>は、教育システムをスキル形成の場とする点に特徴がある。この理論的枠組みに依拠し、OECD教育統計を用いて、先進諸国の教育システムを、職業的教育と普通教育との比重、ならびに公的教育支出の比重を指標として、比較分析した。これまでの国際比較研究では、日本の教育システムは普通教育主体で公的教育支出が低いアメリカに類似する普通教育主体であると位置づけられてきたが、あらたな日本の教育の特徴として、(1)高等教育レベルに相当する非大学プログラムの比重とここに在籍する女性の割合が他の先進諸国に比して大きい点、2) 高等教育を修了した若者の就業率の男女差が大きい点を指摘し、背景として、日本の家族主義的な福祉レジーム、そして、日本の企業特殊的なスキル形成レジームが相まって、日本の男女のスキル形成の差異を他国よりも大きなものにしている点について、理論的説明を導き出た。 2.女性の職業的スキルと継続的キャリアの関連についての分析を行った。この課題の目的は、昨年度の研究成果である佐野(2019)(1)で明らかにされた、女性に主要なスキル形成のパターンである資格スキルを用いて働く女性のキャリアに注目し、獲得されたスキルがキャリアの中でどのように活かされ、どのような実質的な効用をもたらしているのかを、職業移動と賃金上昇効果を従属変数とした分析により明らかにした。 3.本研究課題を今後さらに発展させるための、探索的分析にも取り組んだ。近年上昇傾向が著しい中高年期の女性に争点を当て、女性の教育歴と継続的キャリアとの関連が、2000年以降どのように変化したのかを明らかにするための分析を行なった。 最終成果を博士論文としてまとめている。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|