GNSS搬送波位相を活用した測位を伴わない広帯域地殻変動モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
19J20145
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 優介 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2020: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | GNSS搬送波位相 / 広帯域化 / 連続推定 / 初期余効すべり / 摩擦特性定量評価 / 時系列安定化 / 海溝型巨大地震 / 地震モニタリング / 連続的 / 放送暦 / 未知パラメータ分離精度 / プレート境界地震 |
Outline of Research at the Start |
本研究は地震発生サイクルに伴う様々な時間スケールの断層すべり現象を,GNSSで包括的に捉える技術の確立を目指すものである.最大の特徴は測位による地表変位の導出を経由せずに,GNSS生データの変化から直接断層すべりを推定する手法を用いる点である.研究では断層すべりと他の誤差要因の分離精度の改善による,同手法の性能向上を図る.併せて実際の様々な断層すべり現象への適用による性能評価を行い,同手法による広帯域な断層すべりの検出を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はGNSS搬送波位相変化から直接断層すべりを推定する手法,PTSを用いた広帯域な断層すべりモニタリングの確立を目的とする.2021年度はPTSを用いて2011年東北地方太平洋沖地震の初期余効すべりの時空間発展を推定し,その結果に基づくプレート境界の摩擦特性の定量評価を試みた. 本年度はまず前年度に明らかにした課題であるプレート境界のすべり以外の変動源への対処として,Sidereal filterによるマルチパスノイズの除去を行った.その結果,数分以上の長周期側で断層すべり時系列のノイズレベルを最大30~50%程度低下させることに成功した.加えて確率過程の改良も行い,地震直後数十分の初期余効すべりの時空間発展を1秒間隔という極めて高い時間分解能で得た. 東北沖地震の初期余効すべりは本震の震源域の深い側に隣接する岩手県・宮城県周辺とその沖合に推定され,岩手県付近のすべりが宮城県付近よりも数分から10分程度早く立ち上がるなど,すべりの開始時刻の空間不均質が示された.加えて本震30分後付近を境にすべりが減速するなど,すべり速度の時間変化があった可能性が示された.これらは地殻変動研究で一般的に用いられる1日間隔の座標時系列では抽出が困難な特徴であり,本研究の結果は余効すべりの動態を議論する上で意義が大きい.さらに本震のすべりから期待される応力変化と初期余効すべりの速度を用い,速度状態依存の摩擦則における速度の効果のパラメータも推定した.その結果同パラメータに走向方向の不均質が示され,岩手県付近のプレート境界が宮城県付近よりも応力変化に対して敏感である可能性が示された.初期余効すべり時系列に基づく摩擦パラメータ推定はほとんど前例がない.本研究の成果は初期余効すべりの実態解明,そして地震発生サイクルにおける断層のすべり収支や摩擦特性の統一理解に貢献しうるものである.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)