Project/Area Number |
19J23222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 真里菜 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 盲点 / メラノプシン / 光検出 / 絶対閾 / コントラスト閾 / 明るさ知覚 / 視知覚 / 心理物理学 / 散乱光 / コントラスト感度 |
Outline of Research at the Start |
メラノプシンはヒトの網膜にあるipRGC細胞に発現する視物質である。ipRGC細胞は、初期視覚野や中脳への投射経路を持っているが、メラノプシンの視覚への働きは未だ解明されたとは言い難い。このメラノプシンは、ヒトの網膜の盲点領域に多く発現していることが分かっている。ここから本研究では、盲点に光刺激を与えて眼球運動や知覚が変化するかどうかを確認し、メラノプシンの視覚的な機能に対する影響を検討する。本研究は、盲点領域という、直接照射をしても意識的な気付きにつながらない、網膜における特殊な場所に注目して実験を行い、メラノプシンの働きや特質を理解することを目的としている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の本研究において、盲点への直接的な光刺激が通常視野の光刺激の検出成績を下げるという結果が得られているが、この結果が散乱光によるものなのか、盲点領域に発現するメラノプシンによる光受容によるものなのかを切り分けることができていなかった。 まず、散乱光とメラノプシンの時間周波数に対する追従特性の違いを利用したコントロール実験を行った。この実験は2020年度の最後に行っており、実験参加者を追加する形での実施であった。この結果、テスト刺激提示前に盲点刺激を消してもその効果が残り、通常の盲点有条件と同様に通常視野の刺激の検出成績が下がったため、本実験の結果を説明するメカニズムはメラノプシンである可能性が高いことが示された。 次に、本実験の結果が実験中の縮瞳を原因とする可能性を検討した。盲点有条件の試行中には対光反射が起こり瞳孔が縮んでいたため、これが結果に影響した可能性を考えたのである。しかし、瞳孔の大きさでデータを二つに分割して検出成績を再計算しても二条件間で差は見られず、対光反射は行動データに影響しなかったことが示された。 最後に、対光反射が起こった原因を検討するための実験を行った。先行研究によれば、盲点刺激のみの提示では縮瞳は起こらないことがわかっているが、本実験では盲点刺激の提示に対して縮瞳が起こっており、この原因を解明する必要があったのである。この実験では、メラノプシンの吸光感度のピークに近い青色と吸光感度のピークから離れた赤色の光刺激を用いて本実験と同様の実験を行った。この結果、本実験における対光反射は盲点刺激の散乱光が引き起こし、それをメラノプシンが増強した可能性が高いことが分かった。 以上の結果により、本研究は盲点への光刺激がメラノプシンによって受容され、絶対閾付近での光検出のメカニズムに関与していることを新たに明らかにした。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|