戦争と革命の20世紀を生きた表現者たち―左派社会運動と文学運動の交錯
Project/Area Number |
19K00320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒川 伊織 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (50611638)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 文化運動 / 反戦平和運動 / 神戸 / 社会運動史 / 冷戦 / 日本共産党 / 戦後革新 / 戦後革新勢力 / サークル運動 / 社会運動 / 平和運動 / 労働者文化 / 戦後文化運動 / プロレタリア文化運動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、20世紀日本で展開された左派社会運動の重要な一環をなした文学運動が担った役割に着目して、サークル誌・同人誌をも含む多様な表現から運動を担った人びとの〈生きられた運動経験〉を読み取ることで、運動を担った「個」の主体性に着目した左派社会運動史/文学運動史の構築を目指す。 とくに、東アジアの物流・人流の拠点であった神戸で多様な民族構成の人びとを担い手としつつ展開された文学運動の経験に着目し、左派社会運動/文学運動が東アジアへと〈越境する想像力/創造力〉を生み出していった思想的脈絡についても明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度となった2023年度は、具体的に単著の刊行に向けて、合同会社小さ子社様と打ち合わせを実施し、刊行を確約いただいた。単著では、もともと準備していた原稿に加えて、アメリカで刊行予定の論文集(英語)に執筆した論文「サークルからミニコミへ」および、研究代表者に多くの史料を託し、聞き取りに応じてくださった故・杉本昭典氏の私家版の回想録『時代に抗するーある「活動者」の戦後期』(2014年)を収録することになった。これには『時代に抗する』共著者である市田良彦氏の了承もいただいた。同書は残部僅少で、入手希望も多くいただいるため、単著に収録すべきと判断した。
また、今年度はアーキビストとして活躍中の宮田有香氏の助言・指導により、段ボール箱50箱におよぶ和田喜太郎旧蔵資料の大まかな概要をつかむことができ、史料整理の目処がついた。そのため、大学院生を雇用して、資料目録の作成を行うことができた。この目録は、報告者が非常勤スタッフとして勤務する大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)HP上で、ウェブベースでのアーカイブ記述アプリケーション(国際文書館評議会基準)であるAtoMを利用して公開できるように、研究代表者が全国歴史資料保存利用期間連絡協議会(全史料協)での実習に複数回参加するなどして、スキルを身につけている。
コロナ禍で高齢の当事者から聞き取りができなかったため、何人かの方々が逝去されたことは悔やんでも悔やみきれないが、しかし、本研究により、20世紀神戸における文化運動/平和運動の歴史的展開が、当事者たちが代々遺してきた豊富な史料に依拠しながら、〈生きられた経験〉として描き出すことができたち考えている、
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Report
(5 results)
Research Products
(21 results)