Project/Area Number |
19K00977
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
池田 勇太 山口大学, 人文学部, 准教授 (30647714)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 佐賀藩 / 千住大之助 / 下津休也 / 木下真太郎 / 長岡監物 / 熊本実学党 / 荻昌国 / 横井小楠 / 小河一敏 / 村田清風 / 熊本藩 / 実学党 / 幕末維新 / 儒教 / 東アジア近代史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、幕末維新の政治史と儒教とがどのように関わったのかを、熊本実学党という朱子学系の学党について詳細な研究を行うことで、その一端を具体的に明らかにしていこうとするものである。熊本や東京、幕末期につながりの深かった福井に所在する関係史料などを調査するとともに、鹿児島や柳川・竹田など、交流関係の深かった地域に残る関係史料も調査を行い、学党のネットワークも含めて多角的に調査研究を行っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、佐賀県立図書館にて「千住西亭文書」を閲覧し熊本藩関係者の書簡につき調査を行った。「千住西亭文書」は個人所蔵の史料であるが、佐賀県立図書館で目録作成とマイクロフィルム撮影を行い、その紙焼きを公開していることがわかったため調査が可能となった。千住西亭は通称を大之助といい、佐賀藩主鍋島直正の側近を長年にわたり務めた人物である。天保8年(1837)より3年間熊本藩に遊学した関係もあり、熊本藩が佐賀藩と交渉するさいの窓口になったと考えられる。熊本実学党の元田永孚も弘化元年(1844)に佐賀藩に遊歴したさい千住を訪れている。熊本実学党関係者では横井小楠・下津休也や荘村助右衛門・米田虎之助などの書簡があり、交友関係が裏付けられた。ただし、千住は学問的には木下真太郎と親しかったと考えられる。木下の書簡からは、千住が塩谷宕陰ともつながりを持つことがわかり、千住が江戸における昌平黌系の儒者と親しかったことがわかった。なお下津の書簡は熊本での千住との交友の折に交わした礼状であり、荘村の書簡も熊本での面会約束に関するもの、米田の書簡は、神葬祭に関する教示を佐賀藩に仰ぐものや細川護久に嫁いだ鍋島直正の娘宏姫に関係するものだった。 また、前年度に引き続き小河一敏文書・『筑紫衣』の翻刻作業を進めた。小河一敏文書では、熊本藩士との交際でも、阿蘇惟治・上野堅五ら実学党と時期によっては対立する存在との交友が書簡から見られた。阿蘇との関係では、岡藩と阿蘇神社の距離が比較的近いこともあって、両者はその中間点で待ち合わせて面会していた模様や、『古史伝』の貸借をしていたことなども判明した。『筑紫衣』では長岡監物の家臣の視点から長岡の日常が書かれており、実学党の首領である長岡がその学問を日常的に実践していた様子がうかがえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度も新型コロナ感染症の影響で、出張を思うようにできなかった。当初予定していた佐賀県立図書館での調査は、個人所蔵文書のマイクロフィルム紙焼きによる複製を佐賀県立図書館が公開していることがわかり、調査することができた。しかし玉名市立歴史博物館こころピアでの調査は、予定していた時期に自身が病気に罹患してしまったことで果たせなかった。このため手持ちの史料写真によって研究を進めたが、当初の予定よりも遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の遅れに対応し、研究年度を1年間伸ばした。2023年度は可能なかぎり調査を進めるが、なかでも玉名市歴史博物館こころピア、熊本大学永青文庫を優先的に調査する。また、小河一敏文書・『筑紫衣』の翻刻を完成させる予定である。
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