北海道統治と台湾統治との連続と断絶ーー「殖民地撰定」事業を中心に
Project/Area Number |
19K00998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 敦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (80322767)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 田代安定 / 植民地撰定 / 明治期北海道 / 移民政策 / 台湾総督府 / 日本統治期台湾 / 殖民地撰定 / 開拓政策 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、台湾統治初期の「殖民地撰定」事業を、同時期の北海道の開拓政策と比較しながら、日本の北海道統治と台湾統治との連続・断絶を明らかにする。 既存研究での当該時期北海道と台湾との関係は、北海道関係者の台湾赴任などが指摘されているが、土地政策や移民・植民についてはその重要性にも関わらず、きちんとした比較がなされていない。よって本研究は、「台湾総督府档案」(日本の台湾統治機関であった台湾総督府が所蔵していた公文書)を活用する文献研究を主とし、北海道と台湾でのフィールドワークを従として、北海道と台湾のそれぞれの「殖民地撰定」事業とその後の北海道と台湾の土地政策・移民政策を比較する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も長らくコロナ禍による勤務校の出張規制、および台湾での入国規制があったが、幸いにもそれらが解けた3月に台湾でのフィールドワークを行うことができた。当初計画で予定していた、台湾南部の高雄地方、および台湾東北部の宜蘭地方について、それぞれ自転車(台湾では自転車レンタルサービスが発達している)で地域を巡回しながら、現在に残る地形や用水路を確認し、撮影を行った。年度末でのフィールドワークであるため、従来から読解していた「台湾総督府档案」(台湾の国史館台湾文献館所蔵)などの「殖民地撰定」事業の記録と比べながらの、明治期開拓文献の読解は最終年度の課題となる。 フィールドワーク以外では、昨年度同様に神戸市立中央図書館へ出張(今年度は学内経費のみ)して、同館が所蔵する『神戸又新日報』マイクロフィルムを閲覧し、港町神戸で把握されていた19世紀末台湾情報の読解に努めた他、東京大学の明治新聞雑誌文庫にて『台湾日報』を閲覧した(マイクロフィルム複写費を本科研から支出)。これも19世紀末台湾情報についての資料である。 通常時においては、昨年度と同様に、ネットで入手した文献を利用しながら研究を行い、「台湾総督府档案」(台湾の国史館台湾文献館所蔵)など「殖民地撰定」事業に関する文献の整理解読を進めた。一昨年度に台湾の有料eジャーナルプロバイダの華藝 (https://www.airitilibrary.com/)から入手した多数の関連論文については、今年度も台湾の研究を参照しながら、研究するのに有意義であった。 研究成果の公表は今年度も、紀要論文ながら行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により台湾渡航ができず、研究が停頓状況にあったが、2023年3月ようやく台湾に渡航して調査することができ、おおむね当初予定した調査を終えることができた。最近の台湾では公共貸自転車が普及しており、3月は天気・気温とも良好だったため、フィールドでは自転車を活用して、丹念に見て回ることができた。 また本課題で入手した(および本課題以前に入手した)明治期手書き文書の読解処理に悩んでいたが、凸版印刷株式会社が開発した「ふみのはゼミ」システムが明治期文書にも対応したため、これを利用して整理読解することとし、契約を結び、3月から活用を始めた。現時点では「ふみのはゼミ」の辞書を鍛えている状態だが、文書を多数読み込ませた後は、読解に力を発揮するはずである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究最終年度である。4月から開始となる基盤研究(C)「日本統治期台湾林業と植物学ー-ドイツ林学とアメリカ・ロシア植物学の交錯を中心に」や、日文研での共同研究とも連携させながら、本研究をまとめる予定である。 3月に台湾フィールドワークを再開できたとはいえ、全体としてフィールドワークは最小限にとどまった。文献についても、出張しての調査を縮小せざるを得なかったため、当初予定より経費に余剰が生じた。昨年度の計画では、余剰を出版費に振り向けようと考えていたが、「現在までの進捗状況」に記した通り、凸版印刷株式会社が開発した「ふみのはゼミ」システムが明治期文書にも対応したため、これを有償利用して整理読解することに変更した。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)